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学長メッセージ

平成26年度入学式式辞

 本日この佳き日、春を迎えた横浜の地において、若き情熱に満ち溢れる多くの新入生をお迎えし、平成26年度入学式を挙行できますことは、横浜国立大学すべての構成員の大きな慶びとするところであります。皆さん、横浜国立大学へのご入学・ご進学おめでとうございます。全ての教職員、卒業生、在校生を代表して、心から歓迎いたします。また、これまで皆さんを育て、温かく見守ってこられたご列席のご家族ならびに関係の方々にも、お祝い申し上げます。今後とも温かく、励まして下さいますよう、お願い申し上げます。

 2014年4月に入学される皆さんは、学部、大学院の合計2,726名です。その中には、アジアをはじめとする16カ国からの留学生199名が含まれています。

 先ず、横浜国立大学を紹介します。
皆さんが学生生活をおくる横浜は、155年前、1859年に安政の開国によって国際貿易港を開港しました。明治、大正、昭和の時代を経、平成に入ってからも、近代文化の入り口として活気にあふれ、そして日本から海外へ常に先進的に発信をしてきました。明治時代の半ばの人口が15万人、神戸に次いで6番目の都市であった横浜は、昭和20年までに百万都市に発展し、その後大阪を抜き、日本第2の都市に成長をしています。地域の発展を支えた活力基盤・文化と共に歩んできたのが横浜国立大学です。

 横浜国立大学の前身である教員養成所が神奈川県下に設置されたのは、開港から15年後の明治7年・1874年です。その後、神奈川師範学校、横浜経済専門学校、横浜工業専門学校など大学の前身となる学校が、神奈川・横浜の地で創設されています。1949年、横浜国立大学は、前身校を統合した神奈川県に基盤を置く国立新制大学・総合大学となりました。そして、2011年4月には理工学部、大学院都市イノベーション学府、教育人間科学部人間文化課程を、昨年4月から大学院国際社会科学府を開設しました。時代のニーズに応じて、学部・大学院を改組・充実させ、開学時の3学部から、現在では4学部と5大学院から構成される大学へと発展しています。本日ここにお迎えした新入生の皆さんが、歴史と伝統を踏まえて、更なる飛躍への活力を与えてくれるものと期待しています。

 横浜国立大学は、国際都市・横浜に生まれ育った高等教育機関として、実践性・先進性・開放性・国際性を精神とする教育研究により、これまで各界のリーダーとして活躍する多くの人材・社会の中枢となる人材を育成しており、社会基盤を支える研究成果の発信で社会に貢献しています。本学は、横浜から世界に、社会の持続的進化に貢献するパラダイムで、卓越した「実践的学術の国際拠点」をめざしています。

 本学が掲げている4つの基本精神についてお話しします。実践性は、諸問題の本質を見極め、時代の変化にも対応できる精神であります。先進性は常に前向きにとらえ、新しい試みに意欲的に取り組むチャレンジ精神、開放性は社会とともに歩み、公正さを大切にする精神、国際性はグローバルな視点とコミュニケーションの精神であります。これらは、人間のあり方、つまり倫理に沿ったものであり、文明開化と高度産業の地である横浜で大きく育った精神でもあります。皆さんは、日々の学びと生活の中で、横浜で学ぶことの意味を考え、本学の4つの基本精神を思い起こすことで、学びの羅針盤としてください。

 皆さんの多くは、この神奈川・横浜で新たな学びに挑戦することになります。未知の出来事、出会い、感激の体験、そして真理を探究する大学での学びの中で、自分の世界に閉じこもることなく、コミュニケーションを重ねることは、自己理解を深めることができ、キャリア形成には大切なことです。

 大学での学びの基本は、専門的知識と技術の習得です。学校で教えられ、習得すべきことの多くは、将来仕事に就き、その仕事を通じて収入を得、社会生活を送るために必要な学びであるといっても過言ではないです。同時に、皆さんが大学時代に学んでほしいのは、社会において必要となる「生き方を学ぶ」と言われるものです。 それは、皆さんが、よりよく生きていくために必要とされる知性と知識のことであり、探求心・思考力・行動力をもたらし自らが自立するために必要なものです。スポーツ選手や職人は、理論に加えて、練習と工夫そして実践を積み重ねることによって、一流と言われる選手・職人に成長していきます。皆さんが社会人として活躍するためには、豊かな知識を醸成させ、その知識を実践に生かし、多くの信頼を獲得することが特に重要となります。大学時代には、これまで集積してきた専門的知識と技術に厚みを増すことに加えて、幅広い学びに努め、研ぎ澄まされた感性を養い、社会で通用する実践力・信頼性を身に着ける時期でもあります。

 「生き方を学ぶ」ことは、自らの強い意志で調べ、体験し、感じ、考え、そして実践することを繰り返すことによって、身につけることができると言われています。自らの意思で学びを積み重ねていく姿勢・積極性を期待しています。

 21世紀の知識基盤社会は、皆さんが推進役であります。過去からたどり着ける未来もありますが、たどり着けない未来が多いです。大きな変動の時代が故に、皆さんは専門以外のことも理解でき、創造力のあるプロフェッショナルを目指してください。社会の担い手として、自らの目標に道を開くことができたり、到達した時には、限りない喜びを感じます。

 次に、本学の国際性を活かして、横浜から世界に向けた視点と知識を身につけていただきたい。本学には、世界各地から約900名の留学生が学んでおります。また、海外からの教員、研究者も多くおります。留学の奨学金制度を設けていることもあり、在学中に海外に短期長期で留学をしたり、海外をフィールドとして研究をする学生も多くいます。教育カリキュラムとして、英語など外国語による教育プログラムも開設されています。横浜の地の利からも、皆さんが参加できる国際性を醸成させる教育研究プログラムや機会が広がってきています。

 留学生の皆さんは、異なる言語、文化、習慣のもとでの大学生活となりますが、皆さんの情熱と多文化理解の精神を十分に発揮され、一日でも早く、勉学そして生活が軌道にのることを願っております。

 最後に、無限の可能性を秘めた皆さんにとって、今日から始まる学生生活が良き教師、良き友、そして良き本との出会いの場となり、人生の節目節目で必要となる豊かな科学的知識、倫理性の高い洞察力を身につけていただくことを祈念しまして、式辞を結びます。


平成26年4月3日
国立大学法人 横浜国立大学長

鈴木邦雄

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