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学長メッセージ

平成26年度卒業式・大学院修了式式辞

 桜の開花が話題となっている本日ここに、卒業・修了される皆さんをお迎えし、平成26年度横浜国立大学学位記・修了証書授与式を挙行できますことは、本学にとって大きな慶びであります。ただ今、学部卒業生1,657名、大学院修了生935名及び専門職学位課程修了生24名の方々に学位記および修了証書をお渡し致しました。ご卒業・修了おめでとうございます。皆さんの学びへの取り組みが、学位記の授与につながったものであり、皆さんの努力に敬意を表します。そして、列席の理事・部局長・評議員をはじめ教職員一同とともに、心からのお祝いを申し上げます。

 また、ご多忙の中をご出席賜りました同窓会・ご来賓各位に対しましても、厚く御礼申し上げます。

 4年前に入学した学部生の皆さんは、東日本大震災の混乱が残るなかでの入学でした。そして、常盤台キャンパスを舞台として、活力ある学生生活を過ごされ、先生方の温かい薫陶を受けるとともに、ご家族や学友達の協力と励まし、忘れがたい青春のよき日の思い出を胸に抱いて巣立って行かれることと思います。

 皆さんが在学していた数年間は、変動の時期でした。2012年には、山中伸弥先生がノーベル生理学・医学賞を受賞し、国内では技術の進歩を象徴する東京スカイツリーが開業し、新東名高速道路の一部が開通しました。昨年は、3名の日本人科学者がノーベル物理学賞を受賞しています。その一方で、本学の卒業生も犠牲となったアルジェリアの人質拘束事件が2013年1月に発生しました。さらに、後世にしっかりと伝えていかなければならない東日本大震災から四年を経過した現在でも、復興への努力と支援が続けられています。
 入学された時、皆さんが抱いていた夢、期待をどの程度実現できたでしょうか。振り返ってみる良い機会でもあります。

 さて、皆さんが本日手にされる学士の学位記は、横浜国立大学において学問・物事の基礎を習得したことを証明するものであります。
また、修士・博士の学位記は、学びを研究成果に展開させたことを証明するものであります。

 多くの皆さんは、学生生活を終え、人生の新たなスタートラインに立っています。これからは社会の推進役としての活躍が期待されています。社会の推進役は、エリートとして、大学で習得した知識と技術に加えて、求められるものがあります。伊藤忠商事会長、中華人民共和国駐さつ特命全権大使をされていた丹羽宇一郎氏の言葉を借りれば、「ある意味で、エリートというのはつらいものです。自分のために働くのはもちろん、人々のために働かなきゃいけない。社会のために自分を犠牲にしなければならない。それで初めて真のエリートということになる。自負心の裏には、必ず謙虚さを備えておくことが必要です。あえて謙虚にならなくとも、努力を重ねるうちに謙虚さは身についてくる」と言っています。別の表現をすれば、他を理解できる総合力のことでもあります。

 会社など組織の一員としての第一歩は、一員として与えられた仕事をこなしていくことです。上司の指示を受けて、自分に与えられた業務を着実に遂行することです。
 経験を積み重ねるに伴って、「他の誰かに何かをしてもらう」というマネジメントをする役割が与えられます。立場や見方が異なる人々を束ねることが必要です。マネジメントとは、個人の力では達成できないことを実現するための道具でもあります。
 中村天風は、「一切の人生の果実は、その人の蒔いた種子の通りに表現してくれる」と人生を語っています。社会においても家庭においても、信頼を勝ち得ていないとだれも動きません。また、判断力は、時間的空間的にも、俯瞰的なものの見方、総合力のことでもあります。専門に関する深い知識に加えて、広範な知識の習得に努力し、語らいを大切にすることといってよいのかもしれません。
 また、現在、地球も、人類も、そして日本という国家も、イノベーションが求められており、社会は大きく変動しています。未来は現在とは違った姿となります。未知の領域でもある二十一世紀のこれからの時代は皆さんが担っていくものであり、期待するところ大であります。豊かで明るい未来は皆さんの奮闘にかかっているといっても過言ではありません。

 本学の四つの精神のなかにある「実践性」「先進性」は、学問や物事の基礎を踏まえて、俯瞰的視野から物事の本質を捉え、社会の動向を理解することを求めています。過去や固定観念にとらわれず、将来の様々な変化をも予測した上で、直面する危機や課題を着実に克服していくことやそれをイノベーションに結び付けていくことの大切さを教えてくれています。
 本日卒業・修了される留学生の皆さん、遠く祖国を離れ、異なる言語、文化、習慣の壁を克服し、日本・横浜国立大学での学びを貫徹されました。これまでの皆さんの努力に深く敬意を表します。これからは日本そして本学で身につけた知識や技術を母国の発展のために大いに役立てて下さい。さらに、横浜国立大学を卒業・修了したことを誇りとして、母国と日本との友好の架け橋となることを期待しています。

 本日この機会に、皆さんを見守り育てて頂いた多くの人々の温かい励ましを振り返って見て下さい。とりわけご家族・保護者の皆様には、この日を心待ちにして来られたことと存じます。皆さまの本学へのこれまでのご支援に心から感謝するとともに、お慶びを申し上げます。

 結びになりますが、横浜国立大学は、全ての学部・大学院がひとつのキャンパスにまとまっています。また、在校生、卒業生、教職員が一体となった校友会も昨年スタートしました。皆さんが、勉学や仕事上でのアドバイスを必要としているときには、学部・大学院の壁を越え、引き続きお役に立てるように協力いたします。また、毎年開かれるホームカミングデーや海外での同窓会開催の折は勿論のこと、何事が無くても、横浜国立大学やお世話になった先生を訪ねることがあれば、成長された皆さんを歓迎します。
 重ねて本日の学位記・修了証書の授与を祝し、希望に満ちて新しい旅立ちをされる皆さんが、大志を抱きつつ、心身ともに健やかで実り多き人生を歩まれ、明日の社会を支える力として活躍下さい。そして、母校となる横浜国立大学で学んだことを誇りとし、明るい未来社会を切り開いていく推進役として成長されますことを心から祈念しまして、私の式辞といたします。

本日は誠におめでとうございます。

平成27年3月25日
国立大学法人 横浜国立大学長

鈴木邦雄

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