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入学式&卒業式式辞

平成28年度卒業式・修了式 式辞

 桜の開花も間近い本日ここに、卒業・修了される皆さんをお迎えし、平成28年度横浜国立大学学位記・修了証書授与式を挙行できますことは、本学にとって大きな慶びであります。ただ今、学部卒業生1,611名、大学院修了生922名及び専門職学位課程修了生13名の方々に学位記および修了証書をお渡し致しました。ご卒業・ご修了おめでとうございます。皆さんの入学以来の勉学の積み重ねが、本日の学位記の授与につながったものであり、皆さんの努力に敬意を表します。そして、列席の理事・副学長・監事・部局長・評議員をはじめ教職員一同を代表して、心からのお祝い申し上げます。
 また、ご多忙の中をご出席賜りました横浜市副市長、校友会、同窓会、ご来賓各位に対しましても、厚く御礼申し上げます。そして、卒業生の皆さんを今まで見守り育てて頂いたご家族・保護者の皆様には、本日この日を心待ちにしておられたことと存じます。皆様の本学へのこれまでの多大なご支援に心から感謝すると共に、お喜び申し上げます。
 学びの場として横浜国立大学を選ばれた皆さんは、緑深い常盤台キャンパスを舞台として、活力ある学生生活を過ごされ、先生方の温かい薫陶とともに、学友達の協力と励ましなど、青春のよき日の思い出を胸に抱いて巣立って行かれることと思います。 さて、多くの皆さんは、小学校以来の教育課程を本日終えることになります。明日から社会に羽ばたく節目の日を迎え、改めて「学ぶ」ということについて振り返っていただきたいと思います。
 俗に、読み・書き・そろばんといわれますが、小学校ではこのような基礎的な勉強からはじめ、中学・高校・大学では、自然現象、社会現象、或いは人間の心や精神、文化芸術と様々領域での学問を学んできたことと思います。その中で、教えられて「目から鱗が落ちた」、或いは「新しい事を知ってワクワクした」という経験はなかったでしょうか?
 私自身のお話しすると、数学と物理を学ぶ中で次のような経験がありました。私たちの時代の小学校の算数では、植木算、旅人算、鶴亀算などを使い、苦労して問題をといていました。中学校に入り、数学の時間で「方程式」を学び、問題の答えを未知数Xとおき、あたかもXが分かったこととして式を立てると、とても簡単にXを解くことが出来た時、方程式の便利さに感心しました。また、高校の物理では、ニュートンの万有引力の法則や運動方程式を学び、物体の運動を数式で表わすことができることを知りました。それにより、たとえばボールを空に向かって投げるとき、最初の速度と放り投げる角度が分かれば、どのくらい遠くまで届くのか、かかる時間はどれくらいかを計算で解くことが出来ることを知った時も、物体の運動をコントロールできることに新鮮な驚きを感じたことを今でも覚えています。
 おそらく、皆さんにも学問を学ぶことで、世の中の動きや自然の現象を実感として「理解できた」という喜びや驚きを持った経験があると思います。何気なく眺めていると、漫然として規則性が無く、予測不可能な振る舞いのように見えるものが、学問的知識を身につけることにより、そのものの成り立ちや動きの背後にある「規則性」や「法則性」を知ることで、社会や自然をより深く理解できるようになること、これこそが学ぶことであると思います。さらに言えば、研究という営みは、普段、誰にでも見えている現象の中から、ちょっとした不可解なこと、不思議なことを見つけ出し、それを手がかりに、より本質な関係を探求していくことにあります。より本質的な関係を見いだそうとする研究の原動力は、新しいことを学べたという喜びや驚きにあります。二十一世紀これからの社会はますます不透明な時代になり、未知なるものに対する探求心を持ち続ける事が重要になります。その意味で、卒業して社会にでてからも、是非、学び続けてください。そして、学ぶことの楽しさを感じることが出来る心の新鮮さも保ち続けてください。
 留学生の皆さん、遠く祖国を離れ、異なる言語、文化、習慣の壁を克服し、横浜国立大学での学びを貫徹されました。これまでの皆さんのご努力に深く敬意を表します。これからは日本そして本学で身につけた知識や技術を母国の発展のために大いに役立てて下さい。さらには、母国と日本との友好の架け橋となることを期待しています。
 皆さんが卒業される横浜国立大学は、全ての学部・大学院がひとつのキャンパスにまとまっています。その特長を活かすべく、在校生、卒業生、教職員が学部の壁を越えて設立された校友会は、在学生の支援活動、学部横断的交流活動のほか、海外卒業生との連携活動を活発に行っています。また、戦前の横浜師範、横浜高等工業、横浜高等商業の伝統を引き継いだ卒業生の組織として、教育人文系同窓会である友松会、社会科学系同窓会である富丘会、理工学部系同窓会である名教自然会も専門性を踏まえた在学生支援、卒業生同士の交流活動を活発に行っております。大学としましても卒業生との絆を大切にし、皆さんが今後、勉学や仕事上でのアドバイスを必要としているときには、引き続きお役に立てるように協力いたします。そして、毎年開かれる各同窓会の総会、大学主催のホームカミングデー、海外同窓会開催の折は積極的に参加してください。専門性や年齢、国境を超えた交流は皆さんの学びを継続する上で、いろいろな知的刺激や好奇心を持てる良い機会となるでしょう。
 結びになりますが、本日配布された卒業メッセージ集で触れたサミュエル・ウルマンの詩の一節を紹介します。ウルマンは、1840年にドイツで生まれその後アメリカに移民し、南北戦争後、黒人への教育の機会均等に尽力された教育家です。彼の青春という詩の一節に、青春とは、肉体的年齢の若さにあるのではなく、新たなものに触れたときの感動、もっと深めたいという好奇心、未来に対する想像力を持つことが大事であると主張しました。
 “ Youth is not a time of life; it is a state of mind; it is not a matter of rosy cheeks, red lips and supple knees; it is a matter of the will, a quality of the imagination, a vigor of the emotions; it is the freshness of the deep springs of life.” (Samuel Ullman)
 これからも「若さYouth」を失わずに社会で活躍されることを期待します。そして、希望をもって新しい旅立ちをされる皆さんが、心身ともに健やかで実り多き人生を歩まれ、母校となる横浜国立大学で学んだことをプライドとし、未来社会を切り開いていく推進役として成長されますことを心から祈念しまして、私の式辞といたします。

平成29年3月24日
国立大学法人 横浜国立大学長

長谷部勇一

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