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入学式&卒業式式辞

平成29年度秋季入学式 式辞

  本日、若さ溢れる新入生の皆さんを迎え、平成29年度秋季入学式を挙行できますことは、横浜国立大学すべての構成員の大きな慶びです。皆さん、横浜国立大学への入学・進学おめでとうございます。全ての教員、職員、卒業生、在校生を代表して、心から歓迎の意を表します。また、これまで皆さんを育て、温かく見守ってこられたご列席のご家族ならびに関係の方々にも、お祝い申し上げます。
   2017年10月に入学される皆さんは、学部、大学院の合計100名です。その中には、30の国と地域からの留学生75名が含まれています。

  これから皆さんが学ぶ横浜国立大学は、大学憲章に示された四つの基本精神を特色としています。第一の実践性とは、諸問題の本質を見極め、時代の変化に積極的に対応し、現実の生きた社会に原点を置く学問をすすめる精神です。第二の先進性は、常に最先端を目指すというチャレンジ精神です。第三の開放性は、日本や世界が抱える課題の解決に寄与するため、社会参加を積極的にすすめる精神です。第四の国際性は、コミュニケーション能力と異文化理解力を有し、諸外国との交流を積極的にすすめる精神です。

  この中で私が中心と考えるのは、実践性です。そこで、本日は、大学における学びと実践性についてお話をしたいと思います。

  大学では、専門分野の理論を体系的に学ぶことが基本です。まず、理論とは何かについて考えてみましょう。通常、理論とは、自然や社会のなかに存在する様々な現象を法則的、統一的に説明できるように筋道を立てて組み立てられた知識の体系と定義されます。これは、時代の進展と共に精密化されていきます。その際、自然界も人間社会も変化発展しますから、今までの理論では説明の出来ない現象が発見され、それが理論の発展を促していきます。たとえば、物理学の世界では、ニュートンの万有引力の法則に代表される古典力学がまず成立しました。その後、分子、原子、電子、さらには素粒子などの非常に小さなスケールの現象が扱えるようになってからは、古典力学では説明できない現象が見られることが分かってきて、量子力学が発達しました。このように、理論は、変化・発展する現実に対してその有効性が検証されることが必要で、これが実践或いは実験による検証という事です。

  検証されることで、理論が正当化される、或いは、新しい理論が生まれ、それがまた検証されるというように、理論と実践は往復する関係にあるといえます。
  この関係は、学問一般について成り立ちますが、本学では、なぜ、実践性を強調するのでしょうか。
  それは、本学は伝統的に「生きた現実」との関わりを大事にしているからです。教育においては、実践性を重視した教育体系をもち、実習科目や演習科目を多数用意しています。
  たとえば、副専攻プログラムである地域交流科目では、横浜・神奈川地域において実際に生じている少子高齢化、商店街活性化、防災減災などの地域課題を現場の市民、企業、行政の皆さんと一緒に考える「地域課題実習」があります。実際に現場に出ると、理論がそのままでは通用しない事が多く、課題を知れば知るほど分からないことが増え、もっと専門を深めたいという意欲が強くなります。こうして、大学に戻って理論をより深く学ぶことに繋がります。

  今から約50年前、詩人であった寺山修司氏は、「書を捨てよ。町に出よう。」と主張しました。これは、町に出て現実を知るべきだという実践を強調したメッセージです。しかし、ここには理論と実践の往復の視点が欠けています。皆さんには、「書を(捨てるのではなく)脇に置き、街に出よう。そして、書に戻ろう」という言葉を贈りたいと思います。

  皆さんが、時代の要請する諸課題に挑戦するという目標を持ち、そのために専門的な能力を研鑽するとともに、積極的に現実社会に飛び込み、色々な実践を経験して、今日からはじまる大学生活を実りあるものにしてください。学生の皆さんとともに私たち教職員一同も努力することをお約束し、私からのお祝いの言葉といたします。

平成29年10月4日
国立大学法人 横浜国立大学長

長谷部勇一

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