第2回 佐藤 登さん

国内はもとより、世界中で活躍している本学卒業生の近況をお知らせします。
サムスンSDI(株) 常務取締役 韓国と日本を行ったり来たり。
第2回は、1978年工学研究科修了、サムスンSDI (株)常務取締役の佐藤さんにご寄稿頂きました。

国内はもとより、世界中で活躍している本学卒業生の近況をお知らせします。

ホンダからサムスンへ

1976年工学部電気化学科卒業、1978年工学研究科電気化学専攻修了後、本田技研工業に入社しました。その後、東京大学で工学博士号を取得し、(株)本田技術研究所でマネージャーを経てチーフエンジニアに。


国際シンポジウム「新化学の発展」にて
韓国企業代表として招待講演(2006年2月東京)

2004年に韓国ソウル近郊にある国際企業サムスングループのサムスンSDI社のCEOがスカウトの為に会いに来て、2時間にわたって説得され、サムスンSDI社の常務取締役に就任しました。現在は、中央研究所のエネルギー分野(リチウムイオン二次電池や燃料電池関連)の総括として戦略と研究運営を担っています。

学生時代に学んだ化学を軸に、ホンダでは材料技術と電池技術の研究開発プロジェクトリーダーを務め、現在もエネルギー分野の担当役員として研究経営に従事していますので、学生時代の延長上に発展している感覚を強く感じます。期待と不安を抱きながら赴任して、さまざまな文化や慣習を体得しながら業務にあたっています。

韓国文化事情

食文化について


写真1

写真2

写真3

今の若い世代は韓国定食などの伝統的な料理や韓国焼酎などから、イタリア料理や日本料理、そしてワインなどへと嗜好が徐々にシフトしているような気がします。辛いものはあまり好きではないという若い世代が意外と多いのには驚きます。世界都市ソウルにおいては、ホテルやレストラン、マンション価格など、東京と比べても割安感はまったく感じられません。安いと思えるのは、韓国ビールや焼酎など地場産の物で、キムチや韓国海苔は日本で売られている価格の5分の1程度です。ところが例外もあり、焼肉用の韓国牛はすこぶる高級品で、焼肉店の90%の肉はアメリカ産やオーストラリア産です。韓国牛でなくても、カルビ定食が1人前で4000円以上はするので、焼肉天国と言われる割には割安感を感じません。

国際性について

国際性に関しては日本人が学ぶ点がたくさんあります。社内では英語と日本語を話す社員が多く、韓国語を含めるとバイリンガルではなく、トライリンガルになります。サムスンSDI社の新入社員のTOEICの平均スコアが850点と言われるだけあって、実際に話をしてみると流暢な英語が飛んできます。

人材の確保も多様性に富んでいて、通常の定期新入社員の採用以外に、随時スカウトする米国モデルの採用システムも一般的です。韓国の学歴社会は有名ですが、幼稚園や小学校から熾烈な競争をして、ソウル大学などの有名大学を目指します。大学進学率は実に80%を超えており、博士号取得のための大学院進学や海外の大学への留学も多く、国際感覚が養われています。

観光地について

多くの観光地があちこちにあります。サムスンが経営権を持つエバーランドと称される遊園地機能を持った公園(写真1)は、特に紅葉が素晴らしいです。

韓国ドラマ「冬のソナタ」によって観光客が絶えない春川(チュンチョン)近くのNAMI島(写真2)、ノスタルジックな風景とドラマの調和が、異常というまでのブームを巻き起こしたようです。他にも、韓国の京都あるいは奈良と称される慶州(キョンジュ)や、水原(スウォン)市にある世界遺産の華城や韓国民族村、風光明媚な済州島(写真3)、それに緊張の絶えない板門店(パンムンジャン)など、多くの貴重な観光地がたくさんあります。韓国の歴史や文化を知るうえでも、韓国語が大変参考になっています。

最後に大学のますますのご発展、卒業生および学生諸君のご活躍を切に願っております。

2007年7月号の「文藝春秋」364ページに私に関するインタビュー記事が掲載され、同年7月30日刊行の「日経エレクトロニクス」にはエネルギー事業と研究に関する記事を執筆しましたので、関心のある方は参考にして下さい。東洋経済日報という日本で刊行されている週刊新聞に、韓国と日本に関する様々な内容を毎月執筆しています(私のホームページにも全文を掲載しています)。ご興味のある方はご覧下さい。

(担当:総務部 広報・渉外課)


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