第5回 河合 宗寛さん

第5回は、2005年に教育人間科学部を卒業し、現在は青年海外協力隊として活躍されている河合さんにご寄稿頂きました。

国内はもとより、世界中で活躍している本学卒業生の近況をお知らせします。

青年海外協力隊として活動

2006年3月よりタンザニアで青年海外協力隊として活動しています。私の職場はThe State University of Zanzibarという大学です。この大学の教育学部で体育の授業を受け持ち、中学校の教員を養成するのが私に求められている仕事です。

明け方モスクからコーランが聞こえてくると私の一日が始まります。近所の人と挨拶を交わしながら、自転車で大学に向かいます。授業は、朝夕の涼しい時間帯に実技、日中に講義、合わせて週に15コマほど受け持っています。学生の中には、現職教員でキャリアアップを目的に大学へ通っている人もいます。当初、年上の学生相手に授業をするというのは抵抗がありました。が、底抜けに明るい彼らのホスピタリティーに励まされてどうにか乗り越えてきました。おかげで今では公私共にいい関係が築けていると感じています。

また、日中の空いた時間は教育省の方と話をして、教員向けワークショップの計画を立てたり、近隣の小中学校を巡回したりして体育の普及に努めています。というのも、現在タンザニアでは体育が正式な授業科目として確立されていないからです。

その理由はいろいろあると思いますが、私はタンザニアの教育システムが大きいのではないかと考えています。タンザニアでは小学校の段階から進級のための国家試験が課されています。このため学校の授業は試験に合格するためのものとして捉えられており、予備校に近いものがあります。試験の必須科目ではない体育は、重要視されておらずその認知度が低いように感じます。

やがて日が沈む頃、再びモスクからコーランが聞こえてきます。授業を終えた学生たちはお祈りに出かけ、私は家に帰ります。

中央アフリカ東部の国、タンザニアの風景について

タンザニアといえばキリマンジャロ山が有名ですが、私が暮らしているザンジバルは、サンゴ礁に囲まれたとても海の美しい島です。本土と海を隔てているザンジバルはアラブの影響を強く受けています。なんでも19世紀にはオマーンの首都が置かれていたとか。ストーンタウンと呼ばれる島の中心地には、今もアラブ風石造りの建物が残っており、その街並みが世界遺産に登録されています。


アラブ風石造りの建物

ザンジバルの美しい海

学生時代に学んだ“自分で考えて動く”こと

私が学生時代に学んだことは、「自分で考えて動く」ということです。当時、子どもと関わるボランティア活動に数多く参加しました。そこでは活動の範囲やノルマといったものは特に決められていませんでした。状況に応じて自分が為すべきことを考え行動しなければなりませんでした。

この経験は今とても役立っています。体育教員の養成という仕事の大枠は決まっているものの、具体的に何をどのように行っていくかは自分で考えなければなりません。タンザニアにおいて体育が発展していくためには乗り越えなければならない課題がたくさんあると感じています。例えば設備や道具の不足です。しかしモノがなくても工夫次第でできることはあります。限られた環境の中で体育を実現するために「自分で考えて動く」ことがやはり重要なのだと思います。自分たちの課題を乗り越えるために「自分で考えて動く」こと、これを伝えられるような、授業やワークショップを行っていきたいと考えています。

(担当:総務部 広報・渉外課)


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