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フィンランドでのゆかた着装ワークショップの報告書
本学教育人間科学部教授の薩本先生が学内外の共同研究者数名と2009年から継続して取り組んでいるプロジェクト研究「『きもの』文化の伝承と発信のための教育プログラムの開発-『きもの』の着装を含む体験学習と海外への発信-」の一環で、2015年9月15日から25日まで「きもの」文化を海外へ発信するための教育プログラムを開発することを目指して、埼玉大学教授の川端先生および学生4名(横国3、埼玉1)の計6名で第8回目となる海外でのゆかた着装ワークショップを森や湖などの自然豊かなフィンランドのヘルシンキ、ヨウツェノ、オウルに赴き、開催してきました。ヘルシンキでは在フィンランド日本国大使館および大使公邸とヨウツェノ学院(Joutsenon Opisto)で、オウルではオウル大学(University of Oulu)とオウルインターナショナルスクール(Oulu International School)の全部で5か所でワークショップを男女合わせておよそ190人を対象に実施しました。対象者はフィンランド日本国大使館では一般募集、大使公邸においてはInternational Women's Club,Helsinkiの外交夫人、ヨウツェノ学院、オウル大学では現地の学生、インターナショナルスクールでは小中学生でした。
参加者が体験できることが重要と考え、着装実習を核としたワークショップを行いました。多彩な対象者に日本の衣の伝統文化として、ゆかたのみならず「きもの」に見て触れてもらうために、現地の協力者や参加メンバーにモデルになって成人式用の振袖を着装してもらい、メンバーも小紋の「きもの」やゆかたを着装し、「きもの」のいくつかの実物の着装姿を披露しました。また、着装実習前に英語版テキスト教材とパワーポイントを用い、日本の文化、きものの歴史、通過儀礼、伝統的な模様、ゆかたについての講義を行いました。講義後、男女のゆかたの着装の仕方を英語のナレーションで説明しながら示範しました。続く参加者によるゆかた着装実習では、参加メンバーが数名ずつのグループを担当し、英語で説明しながら参加者が自分で着装できるように着装をサポートしました。全員が着装した後は、高揚感が高まった様子でしたので、しばらくゆかたの着心地を味わってもらいました。オウルインターナショナルスクールでは、対象者が小中学生でしたので、ゆかた着装実習を終えた後、日本の折り紙を紹介し、和柄のついた和紙を配り、手裏剣や鶴などの折り紙ワークショップを実践しました。集合写真を撮影後、ゆかたの畳み方も示範し、ゆかたを畳んでもらうことにより、「きもの」は平面構成でコンパクトに収納できる特徴を実感してもらいました。最後に質問を受けつけ、ワークショップを終了しました。これらの実践内容は日本の伝統文化の海外発信や国際交流に貢献する内容となったと考えています。
現地の参加者たち(生徒・学生・一般など)は、スライドや開発した英語版パンフレットを熱心に読みながら、実習前のきもの文化面のレクチャーに耳を傾け、男女のゆかたの着装示範にも非常に興味を持って見てくれていました。実際にゆかたの着装を行う際も、積極的に自分で着装を行おうと、こちらの示範や説明を聞きながら熱心に着装に取り組み、背中などをお互いにチェックしあうように声をかけると、綺麗な着装になるようにお互いに助け合って着装していました。実践中の参加者たちの表情は最初のワクワクから、イキイキに変り、着装完成後には達成感と着装時の独特な高揚感が感じられました。ゆかたの着装を行う前と後の現地の参加者らの表情や立ち振る舞いの変化はすべての開催地で見られました。アンケート調査にも時間をかけて丁寧に回答してくれました。
着装終了後、「ゆかたを脱ぎたくない」「ずっとこのままで着たい」「このまま家に帰りたい」「かわいい」「買いたい」「日本人になった気分」など多く感想をいただきました。まだまだ英語力は堪能とはいかないですが、それでも、ゆかたの着装の完成を目指して、手振り身振りなど様々な手段を使い、コミュニケーションできました。言葉(言語)だけではなく、コミュニケーションを図ろうとする努力やお互い交流し合おうという意欲が大切だと改めて実感しました。また、自然への賛美、幸福への祈りなどといった人類共通の思いは「きもの」に描かれた伝統模様の美しさと奥深さを通して、外国人にとっての異文化からも共感してもらえることも実感しました。今回のゆかたワークショップを通して、私自身も、改めてゆかた・「きもの」の持つ魅力を感じ、日本の伝統文化への誇りも一層感じる機会となり、またグローバル化の中で、異文化間の相互理解において、民族衣装を媒介としての交流はとても意義のあることと感じました。
これらの現地でのゆかたの着装を含む体験的ワークショップ実践やアンケート調査の結果を通して、日本理解と文化交流の促進という日本の伝統文化の海外発信に貢献することが期待されます。
なお、今年度も研究実践に当たり、多くの方々にご尽力いただきました。現地でのワークショップおよびアンケート調査を行うに当たり、在フィンランド日本国大使館(Embassy of Japan in Finland)の篠田大使ご夫妻と広報・文化担当の書記官の中張有紀子様、広報文班担当の現地職員のヨハンナ・ウスキ様、同職員で振袖モデルになっていただいたヘンナ・タンスカネン様、大使公邸でのワークショップで振袖モデルになっていただいた大使秘書のアンニ・キュンシレヒト様、実践校であるヨウツェノ学院(Joutsenon Opisto)の教諭の中川由紀様、振袖モデルになっていただいた副校長のMs. Hilla Tolonen、校長のMs. Ulla Huhtilainen、オウル大学(University of Oulu)のProf. Seija JalaginおよびCoordinatorのMs. Miia JuusolaとProject plannerのMs. Henna Rannapa ̈a ̈、オウルインターナショナルスクール(Oulu International School)の校長のMs.Raija PerttunenとTextile担当の教員のMs. Anne Linna、および着装ワークショップに参加していただいた生徒、学生、一般の皆さんほか、多くの皆様に大変お世話になりました。感謝申し上げます。
最後になりましたが、オウルでの開催に当たり、実施校をご紹介いただき、いろいろとサポートいただいた本学の山本泰生先生にも、この場を借りてお礼申し上げます。
以下にそれぞれの場所でのワークショップの様子をご報告します。
参加者が体験できることが重要と考え、着装実習を核としたワークショップを行いました。多彩な対象者に日本の衣の伝統文化として、ゆかたのみならず「きもの」に見て触れてもらうために、現地の協力者や参加メンバーにモデルになって成人式用の振袖を着装してもらい、メンバーも小紋の「きもの」やゆかたを着装し、「きもの」のいくつかの実物の着装姿を披露しました。また、着装実習前に英語版テキスト教材とパワーポイントを用い、日本の文化、きものの歴史、通過儀礼、伝統的な模様、ゆかたについての講義を行いました。講義後、男女のゆかたの着装の仕方を英語のナレーションで説明しながら示範しました。続く参加者によるゆかた着装実習では、参加メンバーが数名ずつのグループを担当し、英語で説明しながら参加者が自分で着装できるように着装をサポートしました。全員が着装した後は、高揚感が高まった様子でしたので、しばらくゆかたの着心地を味わってもらいました。オウルインターナショナルスクールでは、対象者が小中学生でしたので、ゆかた着装実習を終えた後、日本の折り紙を紹介し、和柄のついた和紙を配り、手裏剣や鶴などの折り紙ワークショップを実践しました。集合写真を撮影後、ゆかたの畳み方も示範し、ゆかたを畳んでもらうことにより、「きもの」は平面構成でコンパクトに収納できる特徴を実感してもらいました。最後に質問を受けつけ、ワークショップを終了しました。これらの実践内容は日本の伝統文化の海外発信や国際交流に貢献する内容となったと考えています。
現地の参加者たち(生徒・学生・一般など)は、スライドや開発した英語版パンフレットを熱心に読みながら、実習前のきもの文化面のレクチャーに耳を傾け、男女のゆかたの着装示範にも非常に興味を持って見てくれていました。実際にゆかたの着装を行う際も、積極的に自分で着装を行おうと、こちらの示範や説明を聞きながら熱心に着装に取り組み、背中などをお互いにチェックしあうように声をかけると、綺麗な着装になるようにお互いに助け合って着装していました。実践中の参加者たちの表情は最初のワクワクから、イキイキに変り、着装完成後には達成感と着装時の独特な高揚感が感じられました。ゆかたの着装を行う前と後の現地の参加者らの表情や立ち振る舞いの変化はすべての開催地で見られました。アンケート調査にも時間をかけて丁寧に回答してくれました。
着装終了後、「ゆかたを脱ぎたくない」「ずっとこのままで着たい」「このまま家に帰りたい」「かわいい」「買いたい」「日本人になった気分」など多く感想をいただきました。まだまだ英語力は堪能とはいかないですが、それでも、ゆかたの着装の完成を目指して、手振り身振りなど様々な手段を使い、コミュニケーションできました。言葉(言語)だけではなく、コミュニケーションを図ろうとする努力やお互い交流し合おうという意欲が大切だと改めて実感しました。また、自然への賛美、幸福への祈りなどといった人類共通の思いは「きもの」に描かれた伝統模様の美しさと奥深さを通して、外国人にとっての異文化からも共感してもらえることも実感しました。今回のゆかたワークショップを通して、私自身も、改めてゆかた・「きもの」の持つ魅力を感じ、日本の伝統文化への誇りも一層感じる機会となり、またグローバル化の中で、異文化間の相互理解において、民族衣装を媒介としての交流はとても意義のあることと感じました。
これらの現地でのゆかたの着装を含む体験的ワークショップ実践やアンケート調査の結果を通して、日本理解と文化交流の促進という日本の伝統文化の海外発信に貢献することが期待されます。
なお、今年度も研究実践に当たり、多くの方々にご尽力いただきました。現地でのワークショップおよびアンケート調査を行うに当たり、在フィンランド日本国大使館(Embassy of Japan in Finland)の篠田大使ご夫妻と広報・文化担当の書記官の中張有紀子様、広報文班担当の現地職員のヨハンナ・ウスキ様、同職員で振袖モデルになっていただいたヘンナ・タンスカネン様、大使公邸でのワークショップで振袖モデルになっていただいた大使秘書のアンニ・キュンシレヒト様、実践校であるヨウツェノ学院(Joutsenon Opisto)の教諭の中川由紀様、振袖モデルになっていただいた副校長のMs. Hilla Tolonen、校長のMs. Ulla Huhtilainen、オウル大学(University of Oulu)のProf. Seija JalaginおよびCoordinatorのMs. Miia JuusolaとProject plannerのMs. Henna Rannapa ̈a ̈、オウルインターナショナルスクール(Oulu International School)の校長のMs.Raija PerttunenとTextile担当の教員のMs. Anne Linna、および着装ワークショップに参加していただいた生徒、学生、一般の皆さんほか、多くの皆様に大変お世話になりました。感謝申し上げます。
最後になりましたが、オウルでの開催に当たり、実施校をご紹介いただき、いろいろとサポートいただいた本学の山本泰生先生にも、この場を借りてお礼申し上げます。
以下にそれぞれの場所でのワークショップの様子をご報告します。