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美術教育ゼミナール(教育人間科学部)の学生が東日本大震災の避難所でボランティア活動を実施

美術教育ゼミナール(教育人間科学部)のボランティア活動が、神奈川新聞(平成23年4月24日付)で紹介されました。
このプロジェクトに参加した学生および教員より報告がありましたのでご紹介します。
 4月23日,AEゼミ(美術教育ゼミナール・教育人間科学部)は,東日本大震災の避難所となっている川崎市のとどろきアリーナの一室に子どものための〈あそび場〉を提供するボランティア活動を行いました。
 AEゼミでは現在,子どもたちが自分の感じていることを表現したり,創造力を培ったりする造形ワークショップの実践に取り組んでいます。今回,大震災で辛い体験をし,生活環境の変化に不安を抱えている子どもたちの心のケアの手助けになる活動をすることが,今,私たちにできること,やるべきことだと考えました。そして,川崎市の諸先生方や市の職員の方々の協力を得て〈あそび場〉が実現されました。
 〈あそび場〉は,被災地から避難してきた子どもたちはもちろんのこと,編入学先の子どもたちも対象としました。あそびや造形活動を協働的に行うことで,子どもたち同士の交流を深めて欲しいという願いがあったからです。大きな模造紙に自由に絵を描いたり,心地良い手触りのおもちゃを作ったり,視覚的や聴覚的に楽しめるおもちゃで遊んだりする中で,子どもたちは笑顔や真剣な表情を見せながら熱中して取り組んでいました。初めは硬さが見られた子どもたちにも,徐々に自己の内にあるものを少しずつ表現し,それを周りの大人や友だちに見てもらうことで,友だちと会話をしながら一緒にあそんだり,造形活動を行ったりするようになるという変化や心が解放される様子が見られました。ここに造形活動が持つ自己解放の力,そして子どもたちが持つ感性や創造力,活動に没頭するエネルギーを感じ,私たちの方こそ力をもらいました。子どもたちにとってこの時間が楽しく充実したものであり,これからの生活のエネルギーの一助となれたのなら嬉しく思います。

(教育人間科学部 美術科4年 松永佳那子)

 今回の私たちの取り組みで,とりわけ有意義だったことは次の二つです。
 一つは,参加した避難所の子どもたちと編入学先の子どもたちとの間で,“心地よさ”という実感に根差した関わりあいが生まれたことです。そこには何の契約関係もない純粋な関係性を見て取ることができました。もう一つは,今回の震災で心を痛めている子どもたちのために「何かできないか」と真剣に考え集ったメンバー(学部生,院生,OB,神奈川県下の現職教諭)の関わりあいです。ここにも,年齢や社会的立場等を超えた共通意思に基づく関係性を見出すことができました。
 私たちのしたことは些細なことかもしれません。しかし地域における今後の教育のあり方,そして大学教育の実践性に対して多くの示唆と強い確信を得ることができました。

(教育人間科学部 美術教育講座 准教授 大泉義一)

なお詳細は、下記HPを参照してください。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~oizumi-labo/

(担当:総務部広報・渉外室)


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