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第4回「2.5次元文化」を考える公開シンポジウム 〜コンテンツツーリズム、AR、イマジネーション〜

 本年度も「2.5次元文化を考える公開シンポジウム」を開催します。「2.5次元文化」とは「現代ポピュラー文化(アニメ、マンガ、ゲーム)の虚構世界を現実世界に再現し、虚構と現実の曖昧な境界を享受する文化実践のこと」と定義しています。あえて「文化実践」としているのは、送り手と受け手、という二つのベクトルは完全に分離しておらず、文化は送り手と受け手の相互作用の中に現象するためです。つまり、送り手も受け手もプレイヤーとして行動し、パフォーマンスすることを通じて、文化は生産されます。その相互作用を可能にするのは何でしょうか。そのひとつは「イマジネーション(想像力)によるファンタジー世界の構築」ではないでしょうか。
 しかし、ファンタジー世界はどのようにして確立していくのでしょうか。また、ネット、SNS、VR技術により、すでに日常となっている虚構と現実の混じり合った”ハイブリッド・リアリティ” (de Souza e Silva, 2006)において、ファンタジーの機能はどのように変容しているのでしょうか。その考察の手掛かりとして、第一回シンポジウム(2015年2月5日)では、2.5次元ミュージカルとコスプレにおける女性オーディエンスの文化実践に焦点を当てました。第2回(2016年2月6日)は、「声、キャラ、ダンス」と題し、特に2.5次元舞台・ミュージカルという領域で、声や踊りの効果とキャラの作られ方/立ち上がり方との関係、ファンの消費から見えてくる課題や現象を考えました。第3回(2017年1月30日)では、キャラクターソングをめぐって、声がキャラクターの身体性をどう構築するのか、キャラクターソング、アニメソングのビジネス展開から、ファンの消費活動まで、大きな枠組みを考察しました。第4回目となる今回は、2016年の流行語のひとつとなった「聖地巡礼」、いわゆるコンテンツツーリズムを取り上げます。
 Seaton他(2017)によると、コンテンツツーリズムとは、「映画、ドラマ、マンガ、アニメ小説、ゲームなどの大衆文化商品の物語、キャラクター、舞台、その他創造的要素に、多かれ少なかれ動機付けされた旅行行動」と定義されています。物語性をもつあるメディアテキストの世界観を体験しようと、舞台になった場所やゆかりの地を訪れて、好きなキャラクターを身近に感じたり、キャラクターの経験を追体験したり、シーンの再現をして写真を撮ったり、とファンの行動はさまざまです。最近は舞台になった地でスマホアプリをかざすとアニメのキャラクターが現れ、一緒に写真を撮ることができるAR技術も発達しています。不可視であるがゆえ、イマジネーションが2.5次元空間の基礎になりえたと仮定すると、ARは私たちのイマジネーションを制限してしまうのでしょうか。逆に、ARのおかげで、私たちは文字通りキャラクターの生きる2次元空間に近づけるのでしょうか。観光地における銅像や記念碑のような物理的なランドマークがあまりない地にARが介在することで、コンテンツツーリズムの形やファンの行動にどう作用するのでしょうか。
 そうした問題群について考察し、本シンポジウムでは「2.5次元文化」の理論構築のためのさらなる基盤作りを目指します。

日時

2018年2月27日(火)(開場13:30〜)14:00〜17:30(予定)

会場・アクセス

YCCヨコハマ創造都市センター 3階イベントスペース(横浜市中区本町6-50-1)
■みなとみらい線 馬車道駅 1b出口
(野毛・桜木町口・アイランドタワー連絡口直結)
■JR・市営地下鉄線 桜木町駅 徒歩5分
■JR・市営地下鉄線 関内駅 徒歩7分


演題

■「舞台めぐりによる2次元と3次元のつなぎ方(仮)」
 安彦剛志氏(ソニー企業株式会社 コンテンツツーリズム室 シニアプロデューサー)
■「場所のメディア化と劇場化から2.5次元文化を考える~力石徹の葬儀からコスプレ写真まで~(仮)」
 山村高淑氏(北海道大学教授)
■「コンテンツを巡る権利者・地域・ファンの幸せな関係とは?(仮)」
 まつもとあつし氏(ジャーナリスト、法政大学社会学部兼任講師)

講師プロフィール

安彦 剛志(あびこ つよし)
 ソニー株式会社に入社後VAIOのハードウェアエンジニアとして数多くのPCを送り出す。ブルーレイディスクの立ち上げの代表の一人として活躍。ブルーレイディスクの認知度向上のためにブルーレイディスクマイスターサイトを立ち上げ、「あなたの力でBD化プロジェクト」で多くの作品をクラウドファンディングでBD-BOX化。新規事業として「舞台めぐり」を立ち上げ、大洗や沼津、弘前など数多くの地域の集客のサポートを行う。


山村 高淑(やまむら たかよし)
 北海道大学観光学高等研究センター教授。専門はコンテンツ・ツーリズム論、ヘリテージ・ツーリズム論。アニメ等のポップカルチャーをきっかけとした人の流動が、地域の伝統文化の再発見・再評価に果たす可能性について、内外のフィールドワークを通した研究を展開中。観光庁「アニメコンテンツを活用したインバウンド振興等に関する意見交換会」、同庁「スクリーンツーリズム促進プロジェクト」、埼玉県アニメツーリズム検討委員会・アニメの聖地化プロジェクト会議などの座長を務める。主な著書に、Contents Tourism in Japan(共編著、Cambria Press、2017)、『アニメ・マンガで地域振興』(東京法令出版、2011)、『世界遺産と地域振興』(共編著、世界思想社、2007年)など。


まつもとあつし
 IT系スタートアップ・出版社・広告代理店、アニメ事業会社などを経て、フリーランスに。実務経験を活かしながら、IT・アニメなどのトレンドや社会・経済との関係をビジネスの視点から解き明かす。ASCII.jp・ITmedia・毎日新聞経済プレミアなどに寄稿、連載。デジタルコンテンツ関連の著書多数。


ディスカッサント・モデレータープロフィール

須川 亜紀子(すがわ あきこ)
 横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授。専門は、文化研究、オーディエンス研究。アニメにおける少女表象や、2.5次元文化(コスプレ、2.5次元舞台、コンテンツツーリズム、応援上映、声優キャラコンサートなど)という虚構と現実の間を漂う文化実践を、ジェンダーの視点から研究している。近著は、Contents Tourism in Japan (共著、2017年) 。2.5次元文化に関しては、『ユリイカ』2015年4月臨時増刊号総特集「2.5次元」、『美術手帖』2016年7月号特集「2.5次元文化—キャラクターのいる場所」、『装苑』2017年9月号特集「衣装のアイデンティティ」への論考など。青弓社ウェブで「2.5次元文化論」http://yomimono.seikyusha.co.jp/jigenbukaronを連載中。


参加申込み方法

参加無料 定員130名
事前申し込み制。下記の参加登録フォームからお申込みください。


【注意】
*送信元のメールアドレスに申込フォームのコピーが届きます。それで登録は完了となります。
*定員に達しますと、参加申込フォームを閉鎖することがあります。
*参加申込フォームに関するご質問、申込後のキャンセルは、2.5dculture@gmail.comへお願いします。

主催・後援

主催:横浜国立大学都市イノベーション研究院
後援:横浜国立大学教育人間科学部保護者会

*本シンポジウムは、JSPS科学研究費(挑戦的研究(萌芽)課題番号17K18459)の助成を受けたものです。

その他お知らせ

最新情報はFacebookで更新しています。

 須川亜紀子研究室ウェブサイト

お問い合わせ先

横浜国立大学 都市イノベーション研究院 教授 須川亜紀子
電話番号:045-339-3387
メールアドレス:sugawa-akiko-tyynu.ac.jp

(担当:都市イノベーション学府)


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