第17回横浜国立大学サイエンスカフェを開催しました

「超伝導集積回路〜100ギガヘルツCPUへの挑戦〜」

今年度のサイエンスカフェは、若手研究者シリーズと題し、将来を嘱望されている若い先生方が中心に講師をしています。

その先陣を切ったのは、学際プロジェクト研究センター 山梨裕希 特任教員(助教)で、7月1日(水)に横浜商工会議所会員談話室において第17回サイエンスカフェ「超伝導集積回路〜100ギガヘルツCPUへの挑戦〜」を開催しました。

当日は、高校生を含む34名の参加者があり、山梨先生の話を食い入るように聞いていました。

「CPUってどこにあるの?」という素朴な疑問から説き起こし、CPUの役割や、CPUが小型化されるに伴い性能はどんどん上がってきたが、現在ではこれ以上の小型化は難しくなってきていて、ここ数年高性能化は横ばい状態になってきていると話は進みます。

写真1
講師を務めた山梨先生
「みなさん、ようこそ!」
写真2
参加者からの質問が飛び交い会場は
熱気に溢れました

そして、ここからが今回のテーマであり、先生の研究テーマでもある「超伝導集積回路」の話への突入です。電流によるデータの受け渡しという、これまでの考え方と視点を変え、超伝導体を使用することで、磁束量子の有無でデータを表し、その移動でデータを伝えるという方法でCPUの高速化を図ろうとする研究について説明が進みます。

ここまで来ると素人にはなかなか難しいのですが、参加者の中には、しっかり話についてくる人も大勢いて、次々と質問が繰り出し、先生はその質問に丁寧に答えていきます。


超伝導CPUを作るための工程や苦労話に聞き入り、その実験が成功し、その成果が「世界最大SFQプロセッサー、演算能力10倍に向上!」と新聞掲載された事に話が及ぶと、会場からは「おお〜!」と歓声が沸きました。

現在成功しているのは25ギガヘルツまでだそうですが、山梨先生は、近い将来100ギガヘルツのCPUを作り出し、商品化にこぎつけたいと夢を語りました。

その後のグループ討論や質疑応答も熱を帯び、最後まで熱いサイエンスカフェになりました。

写真3
山梨先生のグループが
作成した超伝導CPUを手に
写真4
なお、山梨先生の話は、 8月1日(土)14時30分〜16時に開催する オープンキャンパス企画「ぼくらのサイエンスカフェ」でも聞くことができます。

◇ 平成21年度サイエンスカフェ開催一覧

(総務部学術・国際課)