サイエンスカフェ@県立横浜緑ヶ丘高等学校 を開催しました


9月30日(水)、高等学校での開催が2回目となるサイエンスカフェを県立横浜緑ヶ丘高等学校で開催しました。 これは同校が主催する「緑高セミナー」とのコラボ企画で、30名を超える生徒や保護者、教師の方々が参加しました。
 
本学からは、山田副学長、白石コーディネーター(環境情報研究院講師)、ファシリテーターの学生2名及び学術・国際課の職員が緑ヶ丘高校に出向き運営にあたりました。

講師は、工学研究院の中村正吾准教授で「この宇宙は何からできているか?―素粒子物理の世界―」と題し、難しい素粒子物理の世界を高校生でも興味が持てるように、分かりやすく解説しました。

写真1
中村先生の高校生時代の
愛読書に見入る参加者
写真2
自分の高校時代の経験も交え
分かりやすく解説する中村准教授

「原子をもっと細かく分割していくと何に行き着くのか」といった入門編から入り、「陽子や中性子等はクォークからなっていて、そのクォークには色がある」といった素粒子物理の話に移行。「宇宙は何からできているのか?」といった疑問に、「何が分かっていて、何が分かっていないのか」という内容に参加者は、どんどん引き込まれていきました。

そして「宇宙には、暗黒物質と呼ばれる物質があり、その99%はまだ解明されていないので、皆さんがぜひ解き明かしてください」と話した時には、高校生の目が一斉にきらめいたように感じました。

また、中村先生ご自身の高校生時代の話も披露し、ノーベル物理学賞受賞者の朝永振一郎博士の講演会を聞きに行った時にもらったという古びた朝永博士の名刺や、当時の愛読書で、その本を見ながら実際に実験装置を作成したという、使い込まれた「アマチュア科学者」(C.L.ストング編、村山信彦訳、白揚社)という本が回覧されました。

実物を手に取った参加者は、一様に高校生時代の中村先生に思い浮かべ、情熱に引き込まれているようでした。

写真3
熱を帯びたグループ討論
写真4
終了後も高校生が先生を取り囲んで
質問していました

終了後行ったアンケートには、「事実をそのまま、まる飲みしないで、不思議に思うことも大事だと思った」、「目に見える現象や物質の本質を見極めようという科学者の姿勢に感銘を受けた」、「グループで話し合う中で、疑問が解決したり、新たな疑問が生まれたりして、いつもとは違う視点で物をみることができた。こういう授業は勉強が楽しくなる」といった感想が書かれ、科学の楽しさを知ってもらう事ができたひとときでした。
 
これをきっかけに、本学で科学の道に進んでくれる人が増えることを期待しています。


(総務部学術・国際課)