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第15回横浜国立大学サイエンスカフェ
建物の耐震性って一体なに?

12月10日(水)、BankART Studio NYKミニギャラリーにおいて、工学研究院の松本由香准教授を講師に迎え、第15回横浜国立大学サイエンスカフェを開催しました。

1953年に建てられた港湾倉庫時代の姿をとどめる会場は、今回のテーマ「建物の耐震性って一体に何?」にピッタリ!といった感じで、リピーターの参加者の方も、いつもとは違う雰囲気を楽しんでいました。

テーマが、近年、何かと話題の「耐震性」ということもあり、高校生や専門家の方を含め、幅広い年齢層の方々が参加しました。

「耐震設計」とか「震度○」とかいう言葉は、最近ニュースやCMでもよく耳にします。しかし『その実態は何なのか?』という事をあまり理解せず、分かったつもりになっていることが多いのではないでしょうか。


松本先生のお話しからは
耐震研究に打ち込む熱意が伝わってきました

松本准教授は、最初に、日本の耐震設計の歩みから、耐震研究・耐震技術の発展について丁寧に解説しました。

また、新耐震設計法(1981年)以降に建てられた建物は、それ以前の建物に比べ、巨大地震に対して倒壊を防止するには一定の成果をあげていることを、データを示して紹介しました。

さらに、建物の被害の基準を、「建物の骨組の崩壊がどの程度進行したか」と考える専門家と、「建物で暮らせるかどうか」を考える利用者との間には、建物の被害にまつわる言葉(大破、中破、小破、軽微等)の認識に差があるという問題点を指摘し、個人住宅等を建設する際には、具体的に「我が家がこうなったら困る!」という姿をイメージし、納得がいくまで専門家の人と話し合うようにアドバイスしました。


どのテーブルでもグループ討論が盛り上がりました

「しかし、建物を設計することは、敷地条件や利用者のニーズをきめ細かく汲み取り、様々な作戦を立てていくことであり、杓子定規ではない分かりにくさを伴うことを覚悟して、耐震性に対する理解を深める必要がある」と説明しました。


いつもとは違う雰囲気の会場

最後に、「良質な建築文化を育むためにも、利用者と設計・施工者の双方の努力によって、コミュニケーション能力を高めていくことが大切だ」と締めくくりました。

参加者からは、開催時間を過ぎても多くの質問が寄せられ、テーマに対する関心の高さが伺えるサイエンスカフェとなりました。

3年目を迎えた今年度は、参加者から希望の多かった人文科学系も加え、下記のとおりバラエティ豊かなテーマが揃いました。みなさまの参加をお待ちしています。

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(担当:総務部学術・国際課)


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