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知的財産ポリシー

平成16年 4月 1日

1. 目的

国立大学法人横浜国立大学(以下「大学」という。)は、大学の教職員等(※)の職務上の教育・研究等により生じた知的財産を広く社会に還元することにより、経済社会の発展と人類の福祉に貢献するとともに、個々の教職員等及び大学の知的創造活動の発展を図るために持続的、組織的な活動を行う。

このため大学は、大学の長のもとに産学官連携推進部門を中核とした学内組織を設置し、外部機関、組織との緊密な連携を行い、知的財産の評価、権利化、実施許諾、実施化、移転を図る。さらに、シーズ発掘活動、プロジェクトコーディネーション活動、地域社会との連携、産学官公との連携を重要視し、その促進・支援をするためのリエゾン活動等を積極的に行っていく。

以上を踏まえ、知的財産の創出、取得、管理、活用等を円滑に実施するのに必要な基本事項を明確にするために、ここに横浜国立大学知的財産ポリシー(以下「ポリシー」という。)を策定する。

(※)教職員等とは、教員(寄附講座の教員を含む。)、職員・本学との間で研究成果又は発明について何らかの契約を交わしている学部生、大学院生、ポスドク(PD)、研究員、客員研究員、非常勤職員である。

2. 基本的考え方

  1. 大学の研究、教育と知的財産活動の調和
    大学は、真理探究、学術的発展への貢献、各分野の人材の教育と育成の責務を有するとともに、公平性・公正性・中立性をも保たなければならない。大学における知的財産活動に関しては、これらとの調和を図る必要がある。
  2. 大学の知的財産の多様性に応えたルールの策定
    大学での知的財産は、企業のようにコア技術やコアの事業領域がある組織とは異なり、分野が非常に広範囲であり、かつ、その内容が基礎的、学術的なものから具体的な至近の応用に関わるものまで多様である。
    従って、多様な知的財産全般にわたって単純な単一のルールにより扱うことは困難であることから、知的財産の種類や性格に応じたルールの策定や、適宜実情に合った運用を行う。
  3. 学問の自由、自主性の保証
    知的財産は、大学の学問の自由、研究者の自主性のもとに生み出されたものであることに鑑み、知的財産に関する大学の活動が、研究活動(研究成果の公表を含む。)を過度に制約することのないよう十分配慮する必要がある。
  4. 研究成果公開の原則
    研究者等は、積極的に研究成果を社会に還元するとともに、守秘義務に反しない限度で社会に公開する義務を負う。
  5. 教職員等と大学の責務
    教職員等は、知的財産の重要性や取組みについての理解に努めなければならない。また、大学はその理解を深めるため、啓発活動等を行わなければならない。
    さらに、教職員等から届け出があった職務発明に対しては、大学及び当該教職員等は、当該研究情報のセキュリティーの確保に努めるとともに、大学は権利取得を行うかどうか遅滞なく決定し、権利化する場合には速やかに対処しなければならない。 なお、知的財産の運営管理には、大学は発明等の創作者(以下「発明者」という)の意思を確認し、技術移転機関などの外部の機関や人材を積極的に活用して迅速に対応しなければならない。
    権利の侵害について、大学は、発明者の協力を得て、適切な措置を講じる責務を負う。
  6. 大学等における知的財産の自由かつ円滑な使用
    大学は、他の大学、大学共同利用機関、高等専門学校のほか国公立試験研究機関、特殊法人、独立行政法人が行う研究開発活動における本学の知的財産の使用に関して、自由かつ円滑に取扱いすることができるよう配慮しなければならない。
    特に、リサーチツール特許や有体物などの知的財産については、学外機関が学術目的において使用する場合にも、円滑に取り扱いすることができるよう配慮しなければならない。

3. 発明の届出

  1. 教職員等は、自身の研究成果が職務発明に該当すると判断した場合は、大学に届け出なければならない。
  2. 大学は、教職員等の研究成果が職務発明に該当し、その承継の要否等について検討する必要があると判断したときは、当該教職員等に届出を求めることができる。
  3. 大学は、発明等の届出があったときは、産学官連携推進部門知的財産支援室に設置する発明判定委員会(以下「委員会」という。)に対し、次の事項について諮問する。
    1. 当該発明等の職務発明等への該当性
    2. 承継の要否
    3. 出願等の可否
    4. その他別に定める事項
  4. 大学は、委員会の報告を踏まえ、遅滞なく、当該届出発明等の取扱いを決定し、当該発明者に対し通知しなければならない。
  5. 職務発明等への該当性、出願の可否について不服がある教職員等は、別に定めるところにより、異議を申し立てることができる。
  6. 大学は、承継した知的財産について自己の判断のみに基づいて処分することができる。

4. 発明等の帰属

  1. 教職員等の職務に属する研究、大学が費用その他の支援をして行う研究等、又は大学が管理する施設設備等を利用し、また学生、研究生等の参加をもとに行う研究等に基づき、教職員等がその職務領域で行った発明等(以下「職務発明」という。)については、大学の帰属とする。
    ただし、大学が認めるときは、発明者に帰属させることができる。
    また、民間企業等との共同研究、受託研究、政府からの研究資金に基づく発明の教職員等の持分についても、同様とする。
    なお、平成16年4月1日の国立大学法人化の時点において、既に決まっている権利の帰属については、原則として法人化後も変更しない。
  2. 職務発明を大学の帰属とする場合において、当該職務発明が教職員等の知恵と技量によって生み出されたことに大学は十分配慮し、その承継、所有にあたっては、相当の補償金を支払うものとする。また、大学が職務発明に基づく知的財産権の実施許諾又譲渡により収益(収入)を得たときは、当該知的財産権に係る発明をした発明者に対し、別に補償金を支払うものとする。これらの補償金を受ける権利は、当該権利にかかわる発明者が退職した後も存続するものとする。
  3. 大学は、知的財産の活用により収益を得たときは、上記の発明者に対する補償のほか、その一部により当該発明者の属する研究環境の充実に努めるものとする。

5. 発明の業績評価

届出のあった職務発明で所定の要件を満たすものは、大学及び技術移転機関等の外部機関が権利を承継するかどうかにかかわらず、届け出た教職員等の業績評価の対象とする。

6. 組織事務体制

  1. 知的財産権の取得・活用促進のための体制・組織
    大学における知的財産権の取得・活用促進のための組織として、産学官連携推進部門知的財産支援室を中核とした学内組織を設置する。産学官連携推進部門知的財産支援室は、知的財産に関し、大学の内外の窓口になるほか、大学内において、知的財産権の取得・活用促進及び技術移転促進のため、知的財産マインドの高揚及び知的財産情報のセキュリティー確保に努める。産学官連携推進部門知的財産支援室は、大学の使命である教育と学術研究の推進との調和を図りつつ、知的財産権の取得促進及び技術移転促進に努める。
  2. 知的財産の係争・訴訟対策など法務的な事項の問題解決のため、産学官連携推進部門知的財産支援室に知財担当の顧問弁護士などの専門家を置くものとする。
  3. 大学は、大学が所有する知的財産権の侵害に対する対策には、技術移転機関等の外部機関と連携する。

7. 技術移転機関との連携

大学は、知的財産権に係る産業界等へのライセンス活動及び実施許諾等の契約を、効果的・効率的かつ機動的に行うため、技術移転機関を活用し、一体的に技術移転の業務を進めるよう努める。

8. 共同研究等の推進

大学は、共同研究等について成果の取扱いを含めて相互の利益に配慮するものとする。

9. 大学発ベンチャー企業創出の推進

  1. 教職員等が兼業又は独立してベンチャー起業する場合、大学は、当該教職員等の発明等で大学が承継し、出願したものについて、優先的に専用実施権の設定を含む実施許諾又は譲渡等を行うよう努めるものとする。
  2. 技術移転活動をより確実なものとするために、大学は、必要な研究成果のインキュベーションの促進に努めなければならない。

このポリシーは、平成16年4月1日から適用する。
改正後のポリシーは、平成18年9月14日から適用する。
改正後のポリシーは、平成20年4月1日から適用する。
改正後のポリシーは、平成25年10月1日から適用する。

(担当:研究・学術情報部 産学・地域連携課)


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