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“ 横浜国立大学が取り組む新型コロナウイルスに係る研究事例について ”

 新型コロナウィルス感染症が世界的に流行する中で、先行きの見えない不安定な状況が続いています。引き続き新型コロナウィルスにかかわる治療薬・ワクチン等の開発など防疫や医学的な対応が最優先に求められることは間違いありませんが、それに加えて、社会・経済・文化のあり方や流行収束後の再構築プロセスまでを見据えた学術を発展させることが重要です。
 横浜国立大学は「実践的学術」を希求する研究大学として、人文学・社会科学・理工学の観点からこれまでに蓄積してきた研究資源を活用し、新型コロナウィルス感染症をめぐる現在進行形の諸問題、そして将来の社会課題への対応を志向した研究活動を開始しています。大学の知を今こそ社会に還元していけるよう、引き続き努力して参りますので、改めてご支援・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

- 横浜国立大学 学長 長谷部勇一

“ 遠隔操作ロボット技術のオンライン医療への応用 ”

将来に向けた医療技術開発の一環として、遠隔操作ロボット技術を援用した遠隔手術や遠隔触診といったオンライン医療に関する研究を進めています。

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- 工学研究院 下野誠通

【活動概要】

 神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)実用化実証事業「次世代医療福祉ロボット」グループのグループリーダーとして、本学、KISTEC、慶應義塾大学などとの地域連携研究を推進し、 未来医療ロボット技術に関する医工融合研究を行っています。
 特に、鋭敏な力触覚の伝送機能を備えた遠隔手術ロボットや、遠隔触診を実現する超音波プローブ装置など様々な医療機器の試作開発を 医学者と協働して行っております。今後は社会実装に向けた実証研究に移行すると共に、これまでの研究実績を基に感染症対策技術への応用にも展開する予定です。

“ 新型コロナウイルスの感染についてのシミュレーション ”

外来生物としての新型コロナウィルス感染症の、地理的な分布拡大と感染の状況を予測するシミュレーションを行い、結果をウェブサイトで発信しています。

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- 環境情報研究院 小池文人

【活動概要】

 新型コロナウイルスの感染についてのシミュレーション結果をウェブサイトで発信しています。
外来生物の分布拡大予報

“ 植物を利用したワクチン等の高効率生産 ”

将来の技術応用に向けて、植物を利用したワクチン等の高効率生産に関する研究や、発光レポーターを利用した高感度検出方法に関する研究を進めています。

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- 環境情報研究院 平塚和之

【活動概要】

 本学の受託研究で、これまでの経済産業省およびNEDOプロジェクトの研究成果として

  1. ① 植物を利用したワクチン等の高効率生産に関する研究:特許第 6652763 号「害虫防除剤、害虫の防除方法、形質転換効率促進剤、及び 形質転換効率促進方法」令和 2 年 1 月 28 日登録。

    ①の研究成果を利用して、近年実用化が進められている植物を利用したワクチン生産の効率を向上させる技術に繋げます。


  2. ② 発光レポーターを利用した高感度検出方法に関する研究内容:特許第 6579539号「光識別方法、物質の検出方法、レポーターアッセイ方法、キ ット、ルシフェリンールシフェラーゼ反応阻害剤、その他別紙記載」令和 1 年 9 月6日登録。

    ②の研究成果は極めて高感度な病原体等の検出に応用されることが期待されています。

“ 文化施設と市民を結び付けるバーチャル型サポートの提言・実施 ”

演奏会の実施が困難になっている音楽施設等と協働し、メッセージや動画の配信プロジェクトを提言・実施しています。

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- 都市イノベーション研究院 小宮正安

【活動概要】

 福井県立音楽堂(ハーモニーホールふくい)や、大宮のソニックシティの公式ホームぺージ上で、中止や延期を余儀なくされている演奏会に代わり、新たな情報発信のあり方を実践しています。例えば福井県立音楽堂では、5月から、「ようこそベートーヴェン」というシリーズを立ち上げました。

 週に1回のペースで、エッセイや動画等を掲載しつつ、利用者との交流の一環としてQ&Aコーナーも設け、演奏会が困難になる中でのベートーヴェン生誕250周年企画を実施しています。
ハーモニーホールふくい「ようこそベートーヴェン」

“ 音楽文化の現状調査と新しい実践の事例収集 ”

「新型コロナウイルスと音楽産業JASPM緊急調査プロジェクト2020」に関わっています。また「ポストコロナ時代の音楽実践の事例収集」という関連プロジェクトを立ち上げました。

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- 都市イノベーション研究院 中川克志

【活動概要】

 関連研究者が日本ポピュラー音楽学会と連携して推進している「新型コロナウイルスと音楽産業JASPM緊急調査プロジェクト2020」という調査プロジェクトに関わっています。コロナ禍と日本政府の政策とが日本の(ポピュラー)音楽文化に与える影響を質的・量的に調査することを目指し、音楽関連業種の人々(ミュージシャン、PA、ライブハウス経営者等々)や音楽愛好家に質的・量的調査を行い、その成果を随時報告しています。
covid19.jaspm.jp/

 また、このプロジェクトにも関連して、コロナ禍のなかで試みられている様々な(アヴァンギャルド/アンダーグランドな)音楽実践の事例収集プロジェクトを進めています。こちらの調査成果の報告プラットフォームは準備中です。

“ 新型コロナウィルスをめぐる法政策にかかわる ”

中央社会保険医療協議会で新型コロナウィルス感染症に伴う医療保険制度の対応を協議し、YNU成熟社会コンソーシアムで年齢差別などニューノーマルな社会について研究しています。

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- 国際社会科学研究院 関ふ佐子

【活動概要】

 中央社会保険医療協議会では、公益委員として新型コロナウィルス感染症に伴う医療保険制度の対応を協議しており、例えば、レムデシビルの医療保険上の取扱いなどを検討しました。中医協の協議内容については、次のウェブサイトをご参照ください。
中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会)

 新型コロナウィルス感染症は、もっともか弱いバルネラブル(脆弱)な人たちを苦境に立たせています。例えば、高齢者については、介護を受けられる環境を失い、とりわけ海外においては高齢者関連施設が多くの死者を出しているのみならず、人工呼吸器を装着する順番が年齢により決められました。
 主宰するYNU成熟社会コンソーシアムでは、withコロナ時代、ニューノーマルな社会において、年齢差別のない社会、障がい者といったバルネラブルな人たちをめぐる課題、テレワークといった新しい働き方、採用のあり方などについて、様々な研究者とともに研究しています。
 YNU成熟社会コンソーシアムとは、横浜国大を中心に文系・理系を問わず多様な研究者が集まり、成熟社会をめぐる課題について文理融合研究をする集まりです。
 

Involved in policy making concerning COVID-19.
At the Central Social Insurance Medical Council, as a public interest member, I am involved in the discussion concerning the way to deal with COVID-19 in the National Health Insurance system.

At the YNU Seijyuku Society Consortium, we discuss about the society with COVID-19 and post-pandemic New Normal society. Integrated scholars of arts and sciences of YNU discuss about age discrimination, issues concerning most vulnerable people such as disabled person, the new way to work such as remote work and so on.
Japanese term "Seijyuku" society means mature society, the next society that is diversified and integrated.
COVID-19 put vulnerable people into difficult situations. For example, the elderly not only are at higher risk for developing more serious complications from COVID-19, they are at the risk of losing the lives in nursing homes in some countries. They also lost care environments at home and facilities. Moreover, some countries have prioritized younger over older patients in using intensive care unit beds, ventilators and other medicines. Not only their underlying illnesses, but the age became the indicator in prioritizing the use of medical resources. Even when there could be an 80 years old who live 10 or 20 more years, and an 50 years old who could not live for 10 more years. The age-related rationing discriminate the elderly only because they are old. Lots of underlying problems became clearer with the COVID-19 pandemic and YNU Seijyuku Society Consortium discuss about these issues.

“ 分枝過程(Branching Process)に対する停止時刻を用いた統計的検定 ”

ウィルス感染の基本モデルである分枝過程(Branching Process)の基本再生産数に関して停止時刻を用いる統計的検定(逐次検定)の研究を京都大学経済研究所等と共同で実施しています。

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- 国際社会科学研究院 永井圭二



【活動概要】

 感染症疫学で重要な役割をはたす分枝過程(Branching Process)に対して、停止時刻をもちいた統計的検定(逐次検定と呼ばれる)を研究しています。
 ビッグデータの観測がオンラインで行われる今日、様々な情報量を用いて、早期意思決定が可能となっています。この研究では、分枝過程に対しフィッシャー情報量(Fisher information)に基づいた停止時刻を用い、充分な情報が蓄積された時点で意思決定を行います。特に、基本再生産数(一人の感染者が新たに生み出す感染者の期待値)が1以上か、1未満かの検定に関して停止時刻を用いる統計的逐次検定の研究を行っています。この研究の出発点は、経済時系列の単位根の逐次検定で、われわれは2019年8月にクアラルンプールで行われた統計学分野における世界最大のコンファレンス62nd ISI World Statistics Congress で単位根の逐次検定に対して新しい数理統計学的手法を提唱しました。その後、コロナウイルスの問題が生じた時点から集中的な研究をおこない、分枝過程の基本再生産数に関する検定に対しても 我々の数理統計学的手法が適用できることを確認しました。
 ウィルス感染の確率モデルとしての分枝過程は、国境閉鎖して海外からの感染者の移入がないモデル(移民項のないモデル)と、国境開いているとき海外からの感染者の移入があるモデル(移民項のあるモデル)に分けられますが、我々の手法はどちらのモデルにも適用できるものです。

Sequential test for the criticality of branching processes
Abstract

Due to great demand for statistical procedures to monitor the COVID19 pandemic, we consider sequential tests for the criticality of branching processes with and without immigration. Using stopping times based on the observed Fisher information, we propose three sequential tests, a locally most powerful test, a test giving quick alarm, and a test combining the two tests. We derive asymptotic properties of three tests using Bessel processes and Bessel bridges.
問い合わせ先

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国立大学法人横浜国立大学
産学・地域連携課 産学連携係
〒240-8501 神奈川県横浜市保土ケ谷区常盤台79-5
TEL:045-339-4447 FAX:045-339-4387
E-mail : sangaku.sangaku(アットマークを記入してください)ynu.ac.jp