サンフランシスコでの浴衣の着装ワークショップを実施しました
本学教育学部教授の薩本先生は学内外の共同研究者数名と2009年から文部科学省「服飾文化共同研究拠点」の研究(2009年~2011年度)「きもの文化の伝承と海外発信のための教育プログラムの開発」のプロジェクト研究を実施し、その後も、継続して取り組んできました。
昨年度「きもの文化の伝承と海外発信のための教育プログラムの展開」(代表:扇澤美千子氏)基盤研究(C)(一般)(2016年~2018年)が採択されました。前プロジェクトを基盤としてさらに発展させることを目的としています。前プロジェクトでは、ゆかたの国内外での着装を含む体験型の教育プログラムを構築し、着装の仕方等、「ゆかたがわかる」と題したビデオおよびテキスト教材を作成、e-learning教材化してきました。本研究ではこれまでの実践・研究を基盤として、日本の「きもの」文化の伝承と海外発信のための教育プログラムを展開することで、若年層のきもの文化への興味・関心を喚起し、国際交流・相互理解の基盤とするために、以下の研究を行います。
1.伝統文化をふまえた衣生活・服飾文化の伝承をめざす教材・資料の充実と発信
2.ゆかた着装の体験学習を含めた教育プログラムの実践とその効果検証
3.「きもの」文化を海外へ発信するための国際交流活動プログラムの整備
まず、新たに教材・資料を作成・発信、教育内容・方法を検討し、きもの文化の理解を深める授業実践により日本文化の良さを自らが発信できることをめざします。さらに、海外でのゆかた着装ワークショップとともに海外にきもの文化を紹介し、相互理解の基盤となるプログラムを構築します。
このプロジェクト研究の一環で、2017年9月12日~21日まで「きもの」文化を海外へ発信するための教育プログラムを開発することを目指して、茨城キリスト教大学教授の扇澤先生、埼玉大学教授の川端先生および本学の薩本先生、学生3名(埼玉大1名、横国大2名)、その他1名の計7名で第10回目となるSharing Kimono CultureおよびTry-on-Yukataのワークショップをアメリカ合衆国カリフォルニア州のバークレーで一カ所および南サンフランシスコにおいて三か所の計四か所で実施しました。
以下、薩本先生からの報告を掲載します。
昨年度「きもの文化の伝承と海外発信のための教育プログラムの展開」(代表:扇澤美千子氏)基盤研究(C)(一般)(2016年~2018年)が採択されました。前プロジェクトを基盤としてさらに発展させることを目的としています。前プロジェクトでは、ゆかたの国内外での着装を含む体験型の教育プログラムを構築し、着装の仕方等、「ゆかたがわかる」と題したビデオおよびテキスト教材を作成、e-learning教材化してきました。本研究ではこれまでの実践・研究を基盤として、日本の「きもの」文化の伝承と海外発信のための教育プログラムを展開することで、若年層のきもの文化への興味・関心を喚起し、国際交流・相互理解の基盤とするために、以下の研究を行います。
1.伝統文化をふまえた衣生活・服飾文化の伝承をめざす教材・資料の充実と発信
2.ゆかた着装の体験学習を含めた教育プログラムの実践とその効果検証
3.「きもの」文化を海外へ発信するための国際交流活動プログラムの整備
まず、新たに教材・資料を作成・発信、教育内容・方法を検討し、きもの文化の理解を深める授業実践により日本文化の良さを自らが発信できることをめざします。さらに、海外でのゆかた着装ワークショップとともに海外にきもの文化を紹介し、相互理解の基盤となるプログラムを構築します。
このプロジェクト研究の一環で、2017年9月12日~21日まで「きもの」文化を海外へ発信するための教育プログラムを開発することを目指して、茨城キリスト教大学教授の扇澤先生、埼玉大学教授の川端先生および本学の薩本先生、学生3名(埼玉大1名、横国大2名)、その他1名の計7名で第10回目となるSharing Kimono CultureおよびTry-on-Yukataのワークショップをアメリカ合衆国カリフォルニア州のバークレーで一カ所および南サンフランシスコにおいて三か所の計四か所で実施しました。
以下、薩本先生からの報告を掲載します。
一か所目はカリフォルニア大学バークレー校(UC Berkley)で実践しました。この大学は、アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレーに本部を置くアメリカ合衆国の州立大学です。バークレー校の東アジア言語文化学部、(Department of East Asian Languages and Cultures University of California, Berkeley)の日本語プログラム上級コースの大学生対象に50分の授業を2回に分けて実施しました。1回目はきもの文化に関して、歴史、きもの種類や、模様についての講義の後、実物の着物を使っての模様ワークを実施しました。2回目は、ゆかたの着装ワークショップを行いました。パワーポイントを用いた講義に熱心に聞き入っていました。南サンフランシスコ在住で埼玉大学の川端先生の留学時代の友人の村田恵さんがバークレー校で学ばれている娘さんを通じて、上記の日本語プログラムの日本語講師の近野靖子先生(Mrs. Yasuko Konno Baker, Lecturer in Japanese)をご紹介くださいました。近野先生が休暇で日本に帰国された折りに埼玉大学の川端先生のところに事前打ち合わせに来てくださり、今回のワークショップが実現しました。ゆかたの着装のみならず、振袖の実装、きものの模様ワークを通じてSharing Kimono Cultureのワークショップに学生さん達には、とても喜んでいただけたと思います。横浜国立大学家庭科専攻の学生が作ったミニチュアゆかたも参加の学生にプレゼントして喜ばれました。コーディネイトしてくださった学部長の長谷川葉子先生および近野先生、視聴覚教材の補助をしてくださったバークレー・ランゲージセンターのヴィクトリア・ウィリアムスさんに感謝しています。2回目のワークショップ終了後には,長谷川先生と近野先生がディナーの席をご用意くださり,とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
二か所目では村田恵さんの友人で日本文化を学んだことがあるMr. David Stranahan と奥様の Mrs. Laiching Choy ( Stranahan )とその息子さんの Matthew Stranahanのご家族を対象に、ご自宅でのプライベートレクチャとゆかたの着装およびきもの文化に関してのインタビューを川端先生と薩本とで行いました。
きもの文化にとても興味を持たれていて熱心にインタビューに応じてくださいました。
三か所目のSouth San Francisco High Schoolは南サンフランシスコに位置する高校で、2012年に一度訪問してゆかた着装ワークショップを実施したことがある高校です。校長先生の要望で今回はスペイン語圏の英語がネーティブでない学生を対象としたワークショップを実施しました。スペイン語の担任の先生の通訳を介してのレクチャとなり、内容を端折る必要が生じたり、ゆかたの着装ワークショップも英語が通じないため、自分で着てもらうというよりも、着せ付ける場面が多くなってしまいましたが、言葉の壁を越えての交流ができたように思います。60名以上の参加が得られて盛大に開催できました。言葉の壁もあり、参加者が体験できることが重要と考え、生徒のみでなく先生方にもゆかたの着装体験をしていただき、着装実習を核としたワークショップを行いました。校長のDr. Rapaido, Cynthia にインタビューを行い、ワークショップや日本のきもの文化に対する思いを伺いました。
四か所目のEl Camino High schoolでは、日本の大阪岸和田にある姉妹校の高校への短期研修にいける生徒を専攻する一環でワークショップを実施したようです。事前に参加の動機や日本に対する興味に関するレポートを書いて選ばれた優秀な生徒たちがワークショップの対象者でした。とても熱心で、日本の衣の伝統文化として、きもの文化に対してとても興味を見っていて熱心にレクチャを聴講し、ゆかたの着装実習も積極的に自分で着装しようと意欲的でした。また、実際にきものを見てもらうために、埼玉大学から参加した学部生の藤田さんに成人式用の振袖を着装してもらい、きものの着装姿を披露しました。また、着装実習前にパワーポイントを用い、①きものについて(日本の文化、きものの歴史、通過儀礼)、②伝統的な模様について、③ゆかたについての三つのテーマでレクチャを行いました。講義後、男女のゆかたの着装の仕方を英語で説明しながら示範しました。続く参加者によるゆかた着装実習では、メンバーが数名ずつのグループを担当し、英語で説明しながら参加者が自分で着装できるようにサポートしました。全員が着装した後は、高揚感が高まった様子でしたので、しばらくゆかたの着心地を味わってもらいました。校庭に出て集合写真を撮影後、ゆかたの畳み方も示範し、ゆかたを畳んでもらうことにより、「きもの」は平面構成でコンパクトに収納できる特徴を実感してもらい、ワークショップを終了しました。これらの実践は日本の伝統文化の海外発信や国際交流に貢献する内容となったと考えています。
生徒たちは、スライドやパンフレットを熱心に読みながら、実習前のレクチャに耳を傾け、男女のゆかたの着装示範にも非常に興味を持って見てくれていました。実際にゆかたの着装を行う際も、積極的に自分で着装を行おうと、こちらの示範や説明を聞きながら熱心に着装に取り組んでいました。参加者たちは着装後には達成感と高揚感を感じているようでした。レクチャ後、代表の生徒たちが歓迎の昼食会を開催してくれ、メキシコ料理を食べながら交流をし、その後、高校の授業見学をさせていただきました。
最後に五か所目としてSouth San Francisco Sister Cities Associationのメンバーの方々対象にこちらで着付けて着装していただくゆかた着装体験を行いました。短い時間でしたが、ゆかたを着装して写真撮影をして、高揚感を味わっていただけたようです。
着装実習では、我々の英語力は堪能とはいかないですが、ゆかたの着装の完成を目指して、手振り身振りなど様々な手段を使い、コミュニケーションできました。言葉(言語)だけではなく、コミュニケーションを図ろうとする努力やお互い交流し合おうという意欲が大切だと改めて実感しました。また、自然への賛美、幸福への祈りなどといった思いは人類共通で、伝統模様の美しさと奥深さを、海外の人にも共感してもらえることを実感しました。ワークショップを通して、私自身も、改めてゆかた・「きもの」の持つ魅力を感じ、日本の伝統文化への誇りも一層感じる機会となり、またグローバル化の中で、異文化間の相互理解において、民族衣装を媒介としての交流はとても意義のあることと感じました。
これらの現地でのゆかたの着装を含む体験的ワークショップやアンケート調査の結果を通して、日本理解と文化交流の促進という日本の伝統文化の海外発信に貢献することが期待されます。
なお、今年度も研究実践に当たり、多くの方々にご尽力いただきました。現地でのワークショップおよびアンケート調査を行うに当たり、滞在中を通じて終始サポートしてくださった村田恵様、実践校のカリフォルニア大学バークレー校、東アジア言語文化学部、日本語プログラム・コーディネーターで学部長の長谷川葉子教授、日本語講師の近野靖子先生およびバークレー・ランゲージセンターのヴィクトリア・ウィリアムスさん、実践校のSouth San Francisco High Schoolの校長のDr. Rapaido, Cynthia 、El Camino High school校長のDr. Lunt, DanielおよびSouth San Francisco Sister Cities Associationの皆様〔Mr. Rich Garbarino ( Council member and former mayor )and wife Mrs. Elaine Garbarino、Mr. Pradeep Gupta ( present mayor) and wife Mrs. Kumkum Gupta、Retired Mayor Mr. Pedro Gonzalez's wife Mrs. Eldie Gonzalez、Mr. Frank McAuley - South San Francisco Sister Cities Association President 、Mr. Rich Benavides South San Francisco Sister Cities Association vice president、Mr. Justin Tse South San Francisco Sister Cities Youth Ambassador to Kishiwada, Japan〕および着装ワークショップに参加していただいた生徒、学生、一般の皆さんほか、多くの皆様に大変お世話になりました。感謝申し上げます。
以下にそれぞれの場所でのワークショップの様子をご報告します。
二か所目では村田恵さんの友人で日本文化を学んだことがあるMr. David Stranahan と奥様の Mrs. Laiching Choy ( Stranahan )とその息子さんの Matthew Stranahanのご家族を対象に、ご自宅でのプライベートレクチャとゆかたの着装およびきもの文化に関してのインタビューを川端先生と薩本とで行いました。
きもの文化にとても興味を持たれていて熱心にインタビューに応じてくださいました。
三か所目のSouth San Francisco High Schoolは南サンフランシスコに位置する高校で、2012年に一度訪問してゆかた着装ワークショップを実施したことがある高校です。校長先生の要望で今回はスペイン語圏の英語がネーティブでない学生を対象としたワークショップを実施しました。スペイン語の担任の先生の通訳を介してのレクチャとなり、内容を端折る必要が生じたり、ゆかたの着装ワークショップも英語が通じないため、自分で着てもらうというよりも、着せ付ける場面が多くなってしまいましたが、言葉の壁を越えての交流ができたように思います。60名以上の参加が得られて盛大に開催できました。言葉の壁もあり、参加者が体験できることが重要と考え、生徒のみでなく先生方にもゆかたの着装体験をしていただき、着装実習を核としたワークショップを行いました。校長のDr. Rapaido, Cynthia にインタビューを行い、ワークショップや日本のきもの文化に対する思いを伺いました。
四か所目のEl Camino High schoolでは、日本の大阪岸和田にある姉妹校の高校への短期研修にいける生徒を専攻する一環でワークショップを実施したようです。事前に参加の動機や日本に対する興味に関するレポートを書いて選ばれた優秀な生徒たちがワークショップの対象者でした。とても熱心で、日本の衣の伝統文化として、きもの文化に対してとても興味を見っていて熱心にレクチャを聴講し、ゆかたの着装実習も積極的に自分で着装しようと意欲的でした。また、実際にきものを見てもらうために、埼玉大学から参加した学部生の藤田さんに成人式用の振袖を着装してもらい、きものの着装姿を披露しました。また、着装実習前にパワーポイントを用い、①きものについて(日本の文化、きものの歴史、通過儀礼)、②伝統的な模様について、③ゆかたについての三つのテーマでレクチャを行いました。講義後、男女のゆかたの着装の仕方を英語で説明しながら示範しました。続く参加者によるゆかた着装実習では、メンバーが数名ずつのグループを担当し、英語で説明しながら参加者が自分で着装できるようにサポートしました。全員が着装した後は、高揚感が高まった様子でしたので、しばらくゆかたの着心地を味わってもらいました。校庭に出て集合写真を撮影後、ゆかたの畳み方も示範し、ゆかたを畳んでもらうことにより、「きもの」は平面構成でコンパクトに収納できる特徴を実感してもらい、ワークショップを終了しました。これらの実践は日本の伝統文化の海外発信や国際交流に貢献する内容となったと考えています。
生徒たちは、スライドやパンフレットを熱心に読みながら、実習前のレクチャに耳を傾け、男女のゆかたの着装示範にも非常に興味を持って見てくれていました。実際にゆかたの着装を行う際も、積極的に自分で着装を行おうと、こちらの示範や説明を聞きながら熱心に着装に取り組んでいました。参加者たちは着装後には達成感と高揚感を感じているようでした。レクチャ後、代表の生徒たちが歓迎の昼食会を開催してくれ、メキシコ料理を食べながら交流をし、その後、高校の授業見学をさせていただきました。
最後に五か所目としてSouth San Francisco Sister Cities Associationのメンバーの方々対象にこちらで着付けて着装していただくゆかた着装体験を行いました。短い時間でしたが、ゆかたを着装して写真撮影をして、高揚感を味わっていただけたようです。
着装実習では、我々の英語力は堪能とはいかないですが、ゆかたの着装の完成を目指して、手振り身振りなど様々な手段を使い、コミュニケーションできました。言葉(言語)だけではなく、コミュニケーションを図ろうとする努力やお互い交流し合おうという意欲が大切だと改めて実感しました。また、自然への賛美、幸福への祈りなどといった思いは人類共通で、伝統模様の美しさと奥深さを、海外の人にも共感してもらえることを実感しました。ワークショップを通して、私自身も、改めてゆかた・「きもの」の持つ魅力を感じ、日本の伝統文化への誇りも一層感じる機会となり、またグローバル化の中で、異文化間の相互理解において、民族衣装を媒介としての交流はとても意義のあることと感じました。
これらの現地でのゆかたの着装を含む体験的ワークショップやアンケート調査の結果を通して、日本理解と文化交流の促進という日本の伝統文化の海外発信に貢献することが期待されます。
なお、今年度も研究実践に当たり、多くの方々にご尽力いただきました。現地でのワークショップおよびアンケート調査を行うに当たり、滞在中を通じて終始サポートしてくださった村田恵様、実践校のカリフォルニア大学バークレー校、東アジア言語文化学部、日本語プログラム・コーディネーターで学部長の長谷川葉子教授、日本語講師の近野靖子先生およびバークレー・ランゲージセンターのヴィクトリア・ウィリアムスさん、実践校のSouth San Francisco High Schoolの校長のDr. Rapaido, Cynthia 、El Camino High school校長のDr. Lunt, DanielおよびSouth San Francisco Sister Cities Associationの皆様〔Mr. Rich Garbarino ( Council member and former mayor )and wife Mrs. Elaine Garbarino、Mr. Pradeep Gupta ( present mayor) and wife Mrs. Kumkum Gupta、Retired Mayor Mr. Pedro Gonzalez's wife Mrs. Eldie Gonzalez、Mr. Frank McAuley - South San Francisco Sister Cities Association President 、Mr. Rich Benavides South San Francisco Sister Cities Association vice president、Mr. Justin Tse South San Francisco Sister Cities Youth Ambassador to Kishiwada, Japan〕および着装ワークショップに参加していただいた生徒、学生、一般の皆さんほか、多くの皆様に大変お世話になりました。感謝申し上げます。
以下にそれぞれの場所でのワークショップの様子をご報告します。
UC Berkeley きもの文化講義および模様ワーク編(9月13日)






UC Berkeley ゆかたの着装ワークショップ編(9月15日)

















Stanahan Family対象のワークショップ






South San Francisco High Schoolでのワークショップ










EI amino High school でのワークショップ

























大阪府岸和田市の姉妹都市であるサウスサンフランシスコ市の姉妹都市協会(South San Francisco Sister Cities Association)でのゆかた着装体験








