大学院工学研究院　赤松大輔准教授と久井裕介博士（本学博士後期課程修了）らと産業技術総合研究所物理計測標準研究部門との原子時計による暗黒物質探査に関する共同研究成果が学術論文誌「Physical Review Letters」（ 2022年 12月 7日）に掲載されました。

宇宙には暗黒物質と呼ばれる物質が存在することが分かっていますが、その正体が解明されていません。今回の研究では ２台の原子時計を用いて暗黒物質の候補の １つとされている超軽量暗黒物質の探査を行いました。原子時計は最も精密に原子の共鳴周波数を現示する装置です。原子と暗黒物質が相互作用することにより、原子の共鳴周波数が変化する事が予言されています。今回の研究では、長期間にわたりセシウム原子泉時計とイッテルビウム光格子時計を用いてそれらの共鳴周波数の変化を超精密に計測しました。その結果、質量範囲 10^-58kg ~ 10^-56kgの超軽量暗黒物質と電子との相互作用の強さに対して世界で最も厳しい制限を与える事に成功しました。

論文情報
タイトル：“Search for ultralight dark matter from long-term frequency comparisons of optical and microwave atomic clocks”
著者名：Takumi Kobayashi, Akifumi Takamizawa, Daisuke Akamatsu, Akio Kawasaki, Akiko Nishiyama, Kazumoto Hosaka, Yusuke Hisai, Masato Wada, Hajime Inaba, Takehiko Tanabe, Masami Yasuda

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