総合学術高等研究院 生物圏研究ユニット 国際共同研究(EIG CONCERT-Japan)「沿岸湿地の多目的活用に向けたブルー・グリーンインフラ整備と評価手法の構築」(Coast-blue-green-protect)第1回総会を開催
2026年7月15日および16日の2日間、総合学術高等研究院生物圏研究ユニット主催の国際会議「沿岸湿地の多目的活用に向けたブルー・グリーンインフラ整備と評価手法の構築」(Coast-blue-green-protect。以下、CBGP)第1回総会が開催されました。
研究プロジェクトについて
EIG CONCERT-Japanは、科学技術イノベーション分野における日本と欧州の研究支援機関が共同公募を通じて国際共同研究を推進する多国間プログラムです。2015年から現在の枠組みで運営されており、社会課題の解決に資する科学技術の発展と、日欧間の研究ネットワークの強化を目的としています。CBGP(Coast-Blue-Green-Protect)は、その「海洋:気候変動緩和策と適応策」領域において2026年度に採択された国際共同研究プロジェクトです。ドイツ、ポーランド、日本の研究者が連携し、沿岸の自然環境やブルー・グリーンインフラを活用して、炭素貯留や防災機能の向上と、生態系保全、地域の暮らしや経済活動との調和を図る持続可能な沿岸地域づくりを目指しています。日本側研究代表者は、東京都立大学(2026年3月まで横浜国立大学教育学部)の池口明子教授です。
会議の概要
会議の1日目は、横浜国立大学で開催されました。まず、横浜国立大学の自然共生サイト「ときわの森」を見学し、防潮防風林に応用されている、故宮脇昭名誉教授が進めた混植密植方式の植林の実例について理解を深めました。その後、ドイツ、ポーランド、日本の研究者が、それぞれの国における沿岸環境の課題や研究成果を紹介し、自然を生かした防災・減災対策や、生態系と共存するインフラ整備、地域の持続可能な発展について議論しました。また、植栽技術を活用したグリーンインフラや、自然環境と人工構造物を組み合わせたハイブリッドインフラの経済的な価値など、CBGPに関係する生態学、経済学、土木工学分野の幅広いテーマの特別講演を行いました。
会議の2日目は、横浜市海の公園や八景島周辺を訪れ、横浜における海辺の環境保全やブルーカーボンの取り組みを現地で学びました。さらに、ブルーエコノミーや都市と海辺をつなぐまちづくりに関する講演や意見交換を行い、自然環境の保全と地域社会の発展を両立させるための方策について、参加者が国際的な視点から議論を深めました。2日目の講演では、本学都市科学部学部都市基盤学科3年の菊池優希さんと佐藤稜祐さんが、横浜国立大学の学生が実施する「はまみらいプロジェクト※」について紹介しました。
※ https://hamamirai.localinfo.jp/
この国際会議を通じて、研究プロジェクトの科学的目標、組織体制、および手法の方向性について、ドイツ、ポーランド、日本のパートナー間での共通の理解を確立することができました。議論の結果、統合的沿岸域管理においては、環境、経済、工学、社会、文化といった側面を単一の意思決定支援の枠組みの中で考慮する必要があることが確認され、持続可能な沿岸域管理に向けた革新的なアプローチを開発する上で、学際的な連携と知識の共有が重要であることが改めて認識されました。
(担当:先端科学高等研究院 総合学術高等研究院)

