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【プレスリリース】ブルーカーボン調査・クレジット創出実証を開始

神奈川県・BlueArch株式会社と無線自律型水中ドローンを活用

研究概要

 横浜国立大学地域連携推進機構臨海環境センターは、神奈川県、BlueArch株式会社等と連携し、無線自律型水中ドローン(AUV)を活用したブルーカーボン調査およびクレジット創出実証に参画します。本実証では、船舶や潜水士による従来型調査に代わり、陸上から遠隔操作・自律航行する水中ドローンを用いて藻場を効率的に計測し、ブルーカーボンクレジット認証に必要なデータ取得を目指します。対象海域は三浦半島・城ヶ島周辺で、カジメ藻場を中心に調査を実施予定です。本学は、取得された画像・環境データをもとに藻場生態系の評価を行いCO₂吸収量の算定やブルーカーボンクレジット申請に向けた科学的検証を担当します。
 産学官連携によって、沿岸域の脱炭素化と持続可能な藻場保全の両立を目指します。

社会的な背景

 近年、海藻・海草などの沿岸生態系が吸収・固定する炭素である「ブルーカーボン」が、気候変動対策の重要な手法として注目されています。一方で、神奈川県沿岸では海水温上昇や環境変化の影響により藻場の衰退が進み、県内の藻場面積は約30年間で半減したとされています。藻場はCO₂吸収源としてだけでなく、多様な海洋生物の生息場や漁業資源を支える重要な生態系基盤でもあり、その保全と再生は喫緊の課題です。しかし、ブルーカーボンクレジット創出に必要な藻場面積や現存量の計測には、船舶運航や潜水調査が必要であり、コストや安全性、天候制約などの課題がありました。こうした背景から、より低コストかつ効率的な藻場調査技術として、自律型水中ドローンを活用した新たな観測手法の社会実装が期待されています。

本学の役割

 横浜国立大学地域連携推進機構臨海環境センターは、本プロジェクトにおいて、藻場データの生態学的解析およびブルーカーボンクレジット化に向けた科学的評価を担当します。本学はこれまで、相模湾沿岸における藻場生態系や海洋環境に関する研究を継続しており、現場海域に関する知見を有しています。本実証では、水中ドローンによって取得された映像・位置情報・環境データを用いて、藻場分布や現存量を解析し、それらが示す生態学的意義を検証します。また、海藻によるCO₂吸収・固定量を定量化し、ブルーカーボンクレジット認証に必要な計算・解析手法の構築にも取り組みます。本学は、単なる技術開発支援にとどまらず、取得データを科学的根拠へと結びつける役割を担い、持続可能な沿岸域管理と地域脱炭素化に貢献します。

今後の展望

 船舶や潜水を必要としない新たな藻場測定手法として、水上ドローン×水中ドローン(ワカメ藻場)および無線自律型水中ドローン(カジメ藻場)を活用した観測を進め、県内漁業団体と連携したブルーカーボンクレジット申請を目指します。また、蓄積された観測データを基盤として、海洋環境変動や藻場動態の解析、藻場分布と環境要因との関係解明、さらには広域的な観測網への発展を進めます。これにより、将来の海洋環境・生態系変動に対応した、人と海洋の持続的な利用の実現に貢献していきます。

多様な生物を育む相模湾の大型海藻群落 撮影:髙山佳樹
多様な生物を育む相模湾の大型海藻群落 撮影:髙山佳樹

資料

研究者プロフィール

髙⼭ 佳樹新しいウィンドウが開きます
⼤学院環境情報研究院 助教

お問い合わせ先

研究に関すること
⼤学院環境情報研究院 助教 髙⼭佳樹
メールアドレス: takayama-yoshiki-fbynu.ac.jp

報道に関すること
総務企画部リレーション推進課
メールアドレス: pressynu.ac.jp

(担当:リレーション推進課)


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