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令和2年度秋学期に向けて
~卒業・修了等に必須な一部の授業(実験等)を対面方式で実施~

令和2年9月28日

在学生の皆様

横浜国立大学学長
長谷部勇一


 秋学期に向けた基本方針について、春学期からの経緯と方針決定に至った背景を含めて説明します。

これまでの経緯と感謝
 令和2年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、入学式を中止するとともに、春学期の授業開始日を5月7日(木)に延期し、授業も当初は全面的にオンラインのみとしました。その後、「緊急事態宣言」及び「県域を越えた移動の自粛」解除を受けて、「卒業・修了予定者を対象とした卒業・修了に必須な授業(実習・実験等)」について「短時間、分散化などにより対面実施可能」(「県域を越えた移動自粛の解除を受けた本学の対応について」6月26日)とし、課外活動についても、「課外活動再開ガイドライン」(6月26日)の基準等を満たした団体については、段階的に活動再開を進めてもらいました。それと同時に「なんでも相談室」等への投書、オンラインを活用した学生主導のアンケート、教員による取組等も種々行われ、私もできるだけ直接皆さんの声を聞くことに努めてきました。
 この中で分かったことは、この間、本学学生の皆さんは、ほとんどの授業がオンラインという厳しい学習環境が続く中、とりわけ一年生の皆さんはキャンパスに一度も入構できないまま、対面して友人関係を築くこともできず、心身ともに苦しい日々を過ごしてこられたということです。そうした中でも、皆さんは熱心に学業に励み、あるいは厳しい制約の中で課外活動に取り組んでこられたことに、心からの敬意を表します。教職員にとりましても、全ての授業がオンラインという初めての経験をし、ご不便をおかけしたこともあったかと思いますが、皆さんのご理解とご協力により、春学期の授業を何とか終えることができました。オンライン授業に関して皆さんからお寄せいただいたご指摘は、引き続き、教員にフィードバックを重ね、授業改善に取り組んで行きます。皆さんのご協力に改めて感謝いたします。
 また春学期には、国からの給付金や本学独自の予算だけでなく、皆さんの保護者、卒業生、校友会、同窓会、地域や一般の方々、教職員などから多額の寄附をいただき、本学独自の「横浜国立大学緊急学修支援事業」YNU Emergency Study SUpport Package(YNU E-SSUP イーサップ)を立ち上げ、皆さんの学修環境支援や緊急生活支援などが実施できましたことを、寄附者の方々への感謝とともに、改めて学生の皆さんにお伝えします。秋学期以降も、お寄せいただいたお志を皆さんの支援に生かしていきます。

対面授業の実施方針について
 さて、本学では、10月5日から、秋学期の授業が始まります。すでにお伝えしているように、秋学期は、オンライン授業を原則としつつ、「感染拡大防止対策を最大限講じた上で、卒業・修了等に必須な一部の授業(実験等)のみ対面方式で実施する」方針を公表し、卒業・修了年次以外の学年も進級等に必須な対面授業(実験・実習・実技等)を可能としました(「秋学期の授業実施方針について~オンライン授業を原則とする~」(7月28日))。
 しかしながら、8月以降も世界的な感染拡大が続き、日本においても首都圏の感染状況は依然として厳しく、本学でも、キャンパス内での感染は確認されていませんが、現時点までに約50名の学生が感染者(24名)あるいは濃厚接触者として特定されています。残念ながら、自粛を要請していた学外での会食によるものが多く報告されていますが、最近では家庭内での濃厚接触によるものも散見され、一部で再開していた実験・実習等に影響を及ぼした事例も発生しています。

 こうした依然として厳しい状況を踏まえ、本学では、対面授業に参加される皆さんに安全で安心してもらえる学習環境を確実に提供できるようガイドラインに基づき、上記要件に該当し、対面以外に代替方法のない実験・実習・実技等の授業について、各学部等が作成した授業実施計画書を、医師や危機管理の専門家も交えて厳しく審査し、対面授業を実施します。大学生は、通学路を含む行動範囲が広く、授業ごとに構成員も組み替えられ、キャンパス内の行動も広範囲に及ぶなど、小中高校生に比べ感染拡大の危険性が格段に高いことも踏まえました。教室等の収容定員、面積等から3密状態にならない適切な距離を維持しうる集団が適切に配置されるか(一つの授業を複数に分割し、教室を分けたり時間帯をずらしたりするなど)、教室や実験室等の換気能力は十分で、かつマスクの着用(必要に応じてフェイスシールドも着用)や消毒など安全対策が十分に施されるか、体温など日々の健康観察が義務づけられ実効性が担保されるか、登下校時に交通機関の混雑をできるだけ避けられるよう時間設定がなされているか、やむを得ず昼食をとる必要が生じた場合に安全措置の講じられる環境を提供できるか、それでも万が一、授業に参加した学生等の感染が判明した場合には、感染者の行動履歴が明確に把握でき、感染クラスターを最小限に抑えるため集団同士が交わらない適切な動線の確保ができるかなど、ひとつひとつの授業実施計画を精査し、必要性・安全性が明確になるまで計画の修正を繰り返し、要件に合致し安全対策も十分だと判断されたものについて、対面授業を実施することとします。
 具体的な授業名や実施方法等については、9月上旬から順次授業支援システム等で通知していますので確認してください。

関連した取組について
 また、春学期においては、学生の皆さんの心身の健康維持のため、ラジオ体操やストレッチ、筋力トレーニングなどのほか、折々のキャンパスの様子を伝える「横浜国立大学 Be Fine!プログラム」などオンラインによる取組も実施してきました。秋学期においては、こうした取組のほか、すでに実施したものも含め、オンラインも活用した一年生を対象にした交流会や面談等の取組(対面授業がある場合はそちらを優先)も実施していきます。こちらも各学部からの通知がありますので、確認してください。
 さらに、附属図書館においても、貸出に限定してきた従来の業務に加え、十分な安全対策を施した上で、9月23日から、閲覧業務も順次拡大することとしました。安全確保の観点から事前予約制としますので、詳細は附属図書館のWEBページを確認してください。また今後、大学教育の国際的標準化が想定されるハイブリッド型の授業方法やカリキュラムのあり方も視野に、本学理工学部が独自に開発したオンデマンド動画配信サーバ(ESVOD)を増強して秋学期から全学で運用できるようにします。一部に課題のあった講義棟の換気機能の強化ならびに講義棟のWi-Fi環境の更なる拡充も年度内に完了します。

 こうした安全・安心な環境に向けた対策を講じたとは言え、首都圏の感染状況は楽観視できず、秋以降、インフルエンザの流行も重なった、より厳しい事態の発生も予想されています。春学期において実施した種々の調査によれば、学部・学年、実施時期による違いはありますが、2~3割程度の学生が県外にとどまっているとのデータもあり、また対面授業を求める声がある一方で、対面授業があっても神奈川県や横浜市に行くのは怖い、行きたくない、という悲痛な声も同じように寄せられています。こうした声も踏まえ、対面授業実施に際しては、参加できない場合の代替措置も講じることとしています。具体的には皆さんの対面授業への参加状況を踏まえて、適切な時期、方法で行う予定ですので、授業支援システム等で確認いただくとともに、不明な点があれば、各学部等に確認・相談してください。

今後の教育力・研究力の強化について
 以上のように、本学では、秋学期において、対面授業だけでなく、種々の取組を強化していきます。本来であれば、教育活動、研究活動、課外活動等を通じて、学生、教職員、卒業生、地域の皆様との様々な交流の中から、大学ならではの学びのコミュニティーが構築され、そのプロセスにおいて、学生の皆さんの人間的成長が促されるものだと考えます。ワクチンや治療薬開発の先行きが不透明な新型コロナウイルス感染拡大という状況下において、こうした学びのコミュニティーの形成が阻害されていることは否定できません。しかし「ニューノーマル」(新たな日常)の時代だからこそ、改めて皆さんとともに大学の本分を問い直す機会を与えられたといえるかもしれません。そのため、皆さんの声も生かし、これからの時代の大学教育のあり方を検討する組織を設置するとともに、「ニューノーマル」時代だからこそ、いっそう注目を集め、世界に誇れる本学の高度で先進的な研究活動、産業界、自治体など種々の分野のニーズに応える実践的研究活動等を、動画も使いながらより積極的に発信し、皆さんの目に触れる機会を増やすことで、本学に対する理解を深めてもらえるよう努めていきたいと考えています。

 令和3年度においては、以上に述べた様々な取組の経験を踏まえ、感染拡大状況に左右はされますが、オンラインも効果的に活用しつつ、皆さんの安全・安心を第一に、可能な限り対面での授業を行えるよう、授業方法・カリキュラム等のあり方を検討しています。また令和3年度には、新たな学位プログラム制度を活用し大学院間の学問領域を横断する「先進実践学環」の設置(定員42名)、教育学研究科の「高度教職実践専攻」(教職大学院)の拡充(定員15名から60名に)のほか、DSEP(Data Science EP) 20名(経済学部10名、経営学部10名)、LBEEP(Lawcal Business Economics EP) 10名(経済学部10名)という5年間で学士と修士を取得可能な新たな教育プログラムも開設予定です。一方、本年度は、研究活動も活動停止など甚大な影響を受けていますが、これまでの蓄積もあり、壮大な国家プロジェクト「ムーンショット計画」の第6目標(量子情報)のプロジェクトマネージャーへの本学教員の採択、国会でも取り上げられた本学独自の教育プログラム「ROUTEプロジェクト」の文部科学大臣賞の受賞、オンラインによる国際会議や国内学術会議等での本学学生や教員の受賞などがあいつぎ、今後の本学にとり、大きな財産となりました。コロナ禍にあっても、本学の教育・研究の営みは未来に向けて着実に進展しています。
 分野を超えて、こうした高度で先進的な教育研究活動が相互に刺激し合い響き合いながら、緑豊かな一つのキャンパスで展開されているのが本学の大きな特徴です。私たち教職員は、このキャンパスの中で、皆さんと一日も早く直に対面し語り合いたい、そう強く願って止みません。

お願い
 最後にお願いです。繰り返しになりますが、本学学生の皆さんは、社会的な責任を自覚し、「自分で自分の身を守る行動」を通して、大切な家族や友人等を守るよう努めてください。それでも、新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者に特定されたりすることは十分に起こりえます。その際は、迷わず保健管理センター(045-335-1518)に報告してください。感染しない、させない、それでも感染したら、濃厚接触者になったら、迷わず報告を。授業等で不利益は被りません。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大の危険性のほかに、台風や地震など、突然の自然災害等に現在の居住地で見舞われることも想定されます。その際、オンライン授業は継続して実施される場合がありますが、避難の必要があったり、被災されたりした場合は、まずは自分の心身の安全を第一に行動し、後日、大学に必要な相談をするようお願いします。
 本学には、様々な相談窓口があります。コロナ禍で様々な不安や困りごとがあると思います。一人で抱え込まず、遠慮無く相談してください。

(担当:学長室)


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