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【プレスリリース】気候変動の総費用

【プレスリリース】気候変動の総費用
生物多様性や人間健康などの非市場価値と2℃目標

全世界の気候変動にかかる総費用を新たに推計しました。総費用には、気候変動の緩和策に必要な費用と、緩和後も残る気候変動の経済被害に加えて、生物多様性の損失や健康被害といった非市場価値を貨幣換算したうえで合算されています。
非市場価値への影響を考慮し、将来価値を高く見積もると2℃目標は経済的にも不適切ではありません。一方、どの温度目標でも持続可能な社会(SSP1)を構築すれば気候変動の総費用は少なく抑えることができ、気候変動対策以外も含めて持続可能な社会を目指すことが重要です。
本研究成果は、気候変動を生物多様性や健康の問題と一体的に取り扱う必要があることに加え、生物多様性や人間健康などGDPには計上されない非市場価値やここでは考慮されていない大規模不可逆事象などのリスクなどを我々がどの程度重視しどのように受容・対処するかという価値判断、さらには太陽光発電や風力発電の低コスト化など科学技術イノベーションによる緩和費用の削減によって将来採りうる最適な温度目標が大きく変わり得ることを明確に示唆しており、今後の気候変動対策の推進に大いに資すると期待されます。
 この研究成果は、2023年8月1日(英国夏時間)に英国物理学会のIOP Publishingの環境分野のオープンアクセス雑誌「Environmental Research Letters」で公開され、IOP Publishingからもプレスリリースが行われました。

Environmental Research Letters 掲載記事新しいウィンドウが開きます

問い合わせ担当先

総合学術高等研究院 上席特別教授 松田 裕之
メールアドレス:matsudaynu.ac.jp

(担当:リレーション推進課)


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