【プレスリリース】AIによる精子評価システムを開発
【プレスリリース】AIによる精子評価システムを開発
医療現場のパソコンからクラウド接続なしで、リアルタイム精子評価が可能に!
横浜国立大学工学研究院の濱上知樹教授、同研究室の大学院生中川勇人さん(R6.3修了)、古菅翔生さん、児玉憲武さん、横浜市立大学附属市民総合医療センター 生殖医療センター部長 湯村 寧診療教授らの研究グループは、男性不妊治療に必要な精子評価作業を人工知能(AI)で支援するシステムの開発を進めています。今回開発した新たなAIアルゴリズムにより、精子評価の精度向上に成功するとともに、クラウド接続なしで病院内のパソコンで高速に動作するシステムを実現しました。
本研究グループでは、すでにクラウドの計算資源を利用した大規模な精子データの収集とディープラーニングによる学習を実現してきました(2021/6/11 生殖医療支援AIクラウドシステムを開発 )。しかし、顕微鏡の映像をクラウド経由でリアルタイムに評価することは困難でした。また、病院内のデータをクラウドで取り扱うことにはリスクも伴いました。
そこで、本研究では、これまで開発してきたシステムを基に高精度化とリアルタイム化を図り、病院内のパソコンで利用できるシステムを開発しました。具体的には、精子の形状の特徴とその関係性を抽出する学習アルゴリズムを開発し、その特徴抽出器と損失関数を徹底的に評価し、動き情報の追加によって精度を向上させました。さらに、カメラからの映像をリアルタイム・高精度に動画追尾処理するための軽量化にも成功しました。
本研究の成果の一部は、2024年8月23日にIEEE Accessに公開されました。
IEEE Access 掲載記事
問い合わせ担当先
大学院工学研究院 教授 濱上 知樹
メールアドレス:hamagamiynu.ac.jp
(担当:リレーション推進課)