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【プレスリリース】核融合炉の先進液体金属ブランケットの実現に見通し

【プレスリリース】核融合炉の先進液体金属ブランケットの実現に見通し
-600℃の液体燃料増殖材流動場に耐えるFeCrAl系酸化物分散強化合金の優れた耐食性-

 東京科学大学(Science Tokyo)* 総合研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所の近藤正聡准教授と同工学院 機械系の畑山奨大学院生(当時)、同 環境・社会理工学院 融合理工学系の北村嘉規大学院生、横浜国立大学の大野直子准教授、日本核燃料開発株式会社の坂本寛博士、核融合科学研究所の田中照也准教授、菱沼良光准教授は、核融合炉の先進液体金属ブランケットの運転環境を、液体金属燃料増殖材である液体リチウム鉛合金を用いた高温熱流動実験で再現することに成功しました。さらに、こうした苛酷な環境に対してFeCrAl系酸化物分散強化合金(FeCrAl-ODS)が構造材として耐食性を有することを発見しました。
 本研究グループは、600℃に加熱した液体リチウム鉛合金の小規模プール内においてインペラーを回転させて旋回流をつくり出し、先進液体金属ブランケットの運転環境を再現しながら、FeCrAl-ODSに対する約1カ月半(1,000時間)の連続耐環境性試験を実施しました。その結果、2種類のFeCrAl-ODSが化学的・構造的安定性に優れた保護性酸化被膜を形成しながら、600℃の液体LiPb流動場に耐えることを発見しました。
 本成果は、世界中で競争が激化する核融合エネルギー開発を牽引するものであり、ゼロカーボンエネルギーの導入によるカーボンニュートラル社会の実現につながる新たな扉を開くものと期待されます。本研究成果は、Elsevierの「Corrosion Science」オンライン版に2024年9月21日付で掲載されました。

*2024年10月1日に東京医科歯科大学と東京工業大学が統合し、東京科学大学(Science Tokyo)となりました。

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問い合わせ担当先

大学院工学研究院 准教授 大野 直子
メールアドレス:oono-naoko-yhynu.ac.jp

(担当:リレーション推進課)


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