• お問い合わせ
  • アクセス
  • 検索
  • Language
  1. YNU
  2. Headlines
  3. 横国生による日系社会次世代育成研修・全体研修参加レポート

横国生による日系社会次世代育成研修・全体研修参加レポート

※この記事は、都市科学部都市社会共生学科1年生の鎌田理緒さんが執筆しました。

横浜国立大学で7月8日、第5回日系社会次世代育成研修(本学での全体研修)を開催した。10代から30代のラテンアメリカ出身の日系人学生20名と横浜国立大学都市科学部藤掛洋子研究室の学生、学生国際ボランティアを中心に交流をおこなった。日系人の出身国は、ブラジル、ボリビア、ドミニカ共和国、ペルー、メキシコ、パラグアイ、アルゼンチンと各国から参加者が集まった。学生たちは、この日を迎えるにあたり、司会進行やプレゼンテーション、アイスブレークの準備、会場設営など精力的に活動してきた。特に学年代表である都市科学部3年生の並木さん、2年生の入山さん、皆川さん、1年生の江藤さん、山口さんは各学年の調整役を引き受け、全体研修を成功させるために、企画や調整を2か月にわたり担当してきた。
YNUモニュメント前での集合写真
YNUモニュメント前での集合写真
午前の部は、中央図書館メディアホールにて、学生国際ボランティアの齋藤さん、佐藤さん、張さんによる大学紹介などを含む開講式をおこなった。その後、5班に分かれキャンパスツアーを実施した。大学構内を散策し、昼食を共にしながら、母国の文化や自分の研究分野についてなどの話で盛り上がった。スペイン語に英語、日本語が飛び交うユニークな会話が繰り広げられた。
 午後の部では、都市科学部1年の江藤さん、三島さん、都市科学部2年生の風間さん、坂本さん、張さんがプレゼンテーションを行った。プレゼンテーションのテーマは、各学年ごとに選択し、1年生は学校にいけない子どもたちの要因や現状を「Educational Problem in Japan」というタイトルで英語による発表を行った。2年生は複数の文化環境で育ったサード・カルチャー・キッズに関する「Double Identity」について調査し、自らの経験や意見も交え、英語による発表を行った。時折、日本語で補足を入れながら行った発表を横国生・日系人学生たちは熱心に聞いていた。10グループに分かれておこなった白熱のディスカッションでは、日本とラテンアメリカそれぞれの事情を理解することができ、互いの文化や価値観に触れる良い機会となった。なかでも「Double Identity」のテーマについて、サード・カルチャーを持つ日系人は、自身を日本の繊細さと南米の社交性が良いバランスでミックスされていると考えているということや、“Different is normal!!” (違いは当たり前のこと!)と発言したことが印象的であった。一方で、片方のカルチャーの誇張されたイメージを持たれたため、差別的な目で見られるという意見も挙がった。私たちにとって、多様性への正しい理解が大切であると再認識した機会でもあった。司会も戸惑う?ほど時間を超える多数の発表があり、実りの多いディスカッションであった。1年生のプレゼンテーションを担当した江藤さんと三島さんは、参加者全員の興味を引き、理解してもらうプレゼンを作るため工夫はしたが、会場の雰囲気作りに苦戦したと語っていた。
横国での全体研修終了後は、横国による中華街の案内を兼ねた夕食会を開催した。今流行りのタピオカを飲んだり、恋みくじを引いて悩みを深めたりする日系人もいた。横濵關帝廟を見学したのち、中華料理の食べ放題を訪れた。各テーブルで話が弾み、好みの料理も見つけ、おなか一杯食べて大満足の一日であった。
 後日、研修生の一人がとても楽しい時間であったと話してくれた。それぞれの国や学部について話し、知恵や経験をシェアしあうことで、日本についてもっと知ることができて勉強になったとのことだった。また、初めて卵黄とご飯を混ぜて食べてみたが、思ったより美味しかったとも話してくれた。ディスカッションでは、他国の人たちの意見を聞くことができて興味深かったと語っていた。
グループディスカッションの様子
グループディスカッションの様子
記念撮影の様子
記念撮影の様子
私たち1年生は、ラテンアメリカに興味を持ち、全学教養科目「パラグアイ事情」などを通し学び始めたところである。そのような時に、同世代の日系人と交流する機会を得ることができ、ラテンアメリカを身近に感じることができた。今回の交流は、日本という共通のルーツを持つ者同士、互いの違いを感じるだけでなく、共感しあう部分も多かった。そして、言語の壁を超えて仲を深められることを実感したとともに、自分たちの英語やスペイン語の語学力に課題を感じた。何事にも興味を持ち、意欲的に取り組む日系人の仲間たちと、これからも切磋琢磨して学びを深めたい。
 受け入れに尽力下さった公益社団法人青年海外協力協会の佐賀さん、国際戦略推進機構の河内久実子先生、関係者の皆様方に感謝したい。
横濵關帝廟前にて
横濵關帝廟前にて

(担当:学務部国際教育課)


ページの先頭へ