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入学式&卒業式式辞

平成30年度秋季入学式 式辞

  本日、ここに新入生の皆さんを迎え、平成三十年度秋季入学式を挙行できますことは、横浜国立大学すべての構成員の大きな慶びです。皆さん、横浜国立大学への入学・進学おめでとうございます。全ての教員、職員、学生、卒業生を代表して、心から歓迎の意を表します。また、これまで皆さんを育て、温かく見守ってこられたご列席のご家族ならびに関係の方々にも、お祝い申し上げます。

  本年十月に入学される皆さんは、学部、大学院合計89名です。その中には、26の国と地域から75名の留学生が含まれています。留学生の皆さんは、遠く祖国を離れ異なる文化のもとで、今日から横浜国立大学で学ぶことになります。期待と共に不安もあると思いますが、本学には千名を超える留学生が学んでおり、国際教育センターを中心に皆さんの学習や生活のサポートを最大限努力して行っています。母国のため、そして母国と日本とのかけはしとなるよう、充実した学生生活を送られることを願っています。

  さて、新入生の皆さん。これから本学で大学生活を始めるわけですが、大学で学ぶ意義について今日は考えてもらおうと思います。

  まず、大学とは何でしょうか。大学は、高校の延長ではなく、単に知識を学ぶところではありません。人文科学、社会科学、自然科学それぞれの専門分野の「研究」を深めるところであり、教員と共に学生の皆さんも研究に携わる所です。
  研究とは正解の無い問題に挑戦することですから、新たな課題に対し、オリジナルな答えを見つけようとする精神が大切になります。そして、その研究の成果を広く社会に還元し、社会の発展に寄与する、これも大学の役割です。本学の大学憲章のなかにも、人類社会の発展に貢献することを究極の目的として、「実践性」、「先進性」、「開放性」、「国際性」この4つの基本理念を掲げています。

  それでは、現在、人類社会の発展のために大学として貢献すべき課題は何でしょうか。21世紀に入り、中国など新興国が経済成長の軸となり、国際政治も不透明な時代になっています。新興国や途上国では、経済成長を遂げる一方で、所得格差が拡大し、環境破壊なども進んでいます。そして宗教、民族などの相違から紛争と難民問題も多く発生しています。また、地球温暖化の影響は、台風など大規模な自然災害を世界各地にもたらしており、地球規模での持続可能な社会の構築は大きな課題となっています。これらを踏まえ、国連では2015年にSDGs「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択し、2016年から2030年までの国際目標として、「貧困をなくす」、「質の高い教育をみんなに」、「人や国の不平等をなくす」、「気候変動に具体的な対策を」など十七のゴールを設定し,地球上の誰一人として取り残さないこと(leave no one behind)を誓っています。私は、世界と日本、そして地域の持続可能社会実現に向け、教育と研究で貢献することが現在大学に求められている大きな課題であると思います。十七のゴールは、何らかの形で、教育学、経済学、経営学、環境・情報学、理工学、都市科学、こういう専門分野と関わりを持つだけでなく、いずれも複合的な要因・原因をもち、多様なアプローチでその解決を図ることが求められています。その意味では、人文系、社会系、理工系の学部、大学院を有する横浜国立大学は、それらを統合した文理融合の研究教育を通じて貢献することができるという強みを持っています。

  皆さん一人一人がこのような時代が要請する諸課題に積極的に挑戦するという目標を持ち、そのための専門能力を研鑽するよう期待します。そして、目標実現のため、周りの人々との連携、協働することも大事です。他の専門分野、他の国々の人たちとの協働などを進めることは、SDGsの十七番目の目標として掲げられています。ビートルズのメンバーであったジョン・レノンは、一人一人が夢をもつだけでなく、それを一緒に夢見ることで実現可能性が高まっていくという言葉を残しています。

  A dream you dream alone is only a dream. A dream you dream together is reality.  ―John Lennon-

  21世紀社会に求められる諸課題の解決のため、学生の皆さんとともに私たち教職員一同も努力することをお約束し、私からのお祝いの言葉といたします。

平成30年10月3日
国立大学法人 横浜国立大学長

長谷部勇一

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