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挑戦する横国の学生たち

VENTURE SPIRIT

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SDGs達成の鍵は「ジブンゴト化」。
若者たちがアクションを起こせる社会を。

高校時代からSDGsに高い関心を持ち、さまざまな取り組みを実践してきた入江さん。現在も自らが主導する学生プロジェクト「Design, more.」での活動を通じて積極的に情報発信に取り組む彼は、持続可能な社会の実現に向けて、今何が必要だと考えているのでしょうか。

入江 遥斗

都市科学部都市社会共生学科

入江 遥斗

私たち学生にも、
きっとできることがある

——SDGsに関心を持ったきっかけを教えてください。

高校2年生のときに、授業でSDGsを学んだことがきっかけです。「No one will be left behind.(誰ひとり取り残さない)」という理念に強く共感したことを覚えています。掲げられた17の目標を達成するために、政府などがトップダウンで施策を進めるのみならず、一人ひとりがボトムアップで変化を起こしていかなければならないという発想にも惹かれました。私たち学生にも、持続可能な社会の実現に向けてできることがきっとある。そう考える原点になりました。

——そこからまずどんなアクションを起こしたのでしょう?

SDGsの内容をわかりやすく正しく伝えるための2分間の動画「What’s SDGs?」を制作しました。この動画がNPO 団体や企業、学校など各方面の方々から高い評価を得たことを弾みにして、2018年の5月に立ち上げたのが学生団体「50cm.」です。「身の周り半径50cmからの行動」というコンセプトを打ち出した結果、最終的に100人を超えるメンバーが集まってくれました。僕自身は受験勉強のために代表を退きましたが、今も後輩たちが活動を引き継ぎ、SDGsのさらなる浸透に向けてさまざまな取り組みを実践してくれています。

デザインの力で、
社会活動をもっとカッコよく

——SDGsに強い関心をもつ入江さんが、横国への進学を決めた理由は?

分野横断的な学びが得られやすい環境だからです。SDGsで挙げられている各課題を解決するには、ものごとを多面的に捉える視点が欠かせません。環境問題、人権問題、貧困や格差といった経済的な問題など、複雑に絡み合った課題が私たちの社会には存在しているからです。そんな課題をさまざまな分野の知見から紐解いていく上で、「都市」という大きな対象を扱う都市科学部は最適な環境だと感じました。また、横浜市が「SDGs未来都市」を掲げている点も重要です。SDGsの達成に向けて積極的に変化していく街の空気を肌で感じながら、自らの学びを深めていきたいですね。

——現在はどのような活動に挑戦していますか?

大学で出会った友人とともに「Design, more.」 というプロジェクトを設立しました。SDGsが浸透しつつあるとはいえ、ボランティアをはじめとした社会活動に気後れを感じる若者は少なくありません。そうした意識を「デザイン」の力で変化させ、より多くの世代にさまざまな課題を「ジブンゴト化」してもらいたい。社会活動に取り組む学生がマイノリティである現状をひっくり返せたら理想的です。

最先端の知とSDGsを
つなぐ場所をつくりたい

——Design, moreでの具体的な取り組みを教えてください。

地方の中高生にもSDGsへの理解を深めてほしいという思いから、「TY2」というオンライン授業・コンテンツ制作を実施しています。その第一弾が、2020年8月に広島県安芸郡の府中町立府中中学校の生徒を対象に開催した「TY2HS(Tokyo to Hirosima)」。私たちが作成したオリジナルの冊子を教材にして、SDGsをどのように「ジブンゴト化」していけばいいのか、お話させていただきました。このイベントをきっかけに、自分たちで動画の制作に取り組みはじめた中学生もいるそうです。アクションの波が着実に次の世代に広がっていることを嬉しく感じています。

——今後の目標を教えてください。

まずは「TY2」を全国に広げていきたいですね。私自身、SDGsに関するアクションをはじめる際には、大人たちの活動ではなく、少し年上の高校生や大学生の活動をお手本にしました。「TY2」を通じて、今の中高生がアクションを起こすきっかけづくりができたらと感じています。また今後は、横国の先生方とも連携していきたい。さまざまな分野の研究成果を、ボランティア団体をはじめとした民間の方々が気軽に知ることができれば、SDGsを達成するためのイノベーションも生まれやすくなるはずです。SDGsという社会変革のツールと最先端の知を接続する。そんな場作りをしていきたいと考えています。

掲載:2020年10月

MY MEMORY

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1.二本目に作成した動画「Take Action, Again.」は第1回 SDGsクリエイティブアワードでSDGs普及促進映像大賞を受賞。2.「Design, more.」の仲間とともに。共同設立者の村瀬悠さんは都市社会共生学科の同級生。3.渋谷ヒカリエで開催された超福祉展シンポジウムにも登壇。4.TY2HSの様子。地域課題などを織り交ぜ中学生がSDGsを「ジブンゴト化」できるよう工夫する。

Design, more.

持続可能な社会を実現するための行動の創発を目指し、「デザイン」の視点を取り入れたコンテンツを用いて多分野横断的な活動を展開するプロジェクト

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