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挑戦する横国の学生たち

VENTURE SPIRIT

011

社会はきっと変えられる。
起業を通じてそう確信しました。

今、SNSを活発に利用する若者たちの間で話題となっているデジタル名刺アプリ「handshake」。同アプリを手がけるRuten株式会社の創業メンバーである佐藤さんと友利さんにお話を伺いました。

佐藤 隆雄 友利 有佑

経営学部経営学科

佐藤 隆雄 友利 有佑

SNS時代に欠かせない
新たな名刺アプリ

——handshakeとはどのようなサービスなのでしょう?

佐藤:自身のSNSや興味のあるWebサイト、欲しいものリストなどをアイコン化し、それらを一覧できるオリジナルのページを簡単に作成できるサービスです。コアターゲットは複数のSNSを横断的に利用する若者たち。さまざまなプラットフォームで情報を発信する彼らにとって、Web上に分散した自分に関する情報をいかにひとまとめにするかは大きな課題でした。その解決をめざしたのがhandshakeです。

——そのアイデアはおふたりのどちらかが思いついたのですか?

友利:Ruten社内でさまざまな事業案を検討するなかで、自然発生的にでてきたアイデアです。そもそもRutenとは、学生起業を志していた僕たちが、SNS上で共同創業者を募集していた起業家の方と意気投合して立ち上げた会社です。最大のミッションとして掲げているのは、東京への一極集中を打破するような事業を生み出すこと。そのため当初計画していたのは、地方におけるオフィスのシェアリングサービスの展開でした。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて計画を一度ストップせざるを得なくなります。資金調達が難航していたタイミングだったこともあり、自社のリソースで何か新しいサービスを立ち上げられないかと模索するなかで生まれたのがhandshakeです。

おかげさまで
ユーザー数は右肩上がりです

——handshakeの運営にあたって、おふたりが担う役割を教えてください。

友利:プログラミングとデザインを一手に担っています。大学1年次から独学でプログラミングを学び、いくつかのWebサービスを発表してきた経験が生きたかたちです。とはいえ、この規模のサービスを手がけるのは初めてなので、苦労も絶えません。今もっとも注力しているのはセキュリティ対策。サービスの信頼性に直結する部分なので、気が抜けません。友人や先輩など、エンジニアとしての人脈もフルに活用しながら、より良いサービスにするべく努めています。

佐藤:僕はマーケティングと営業を担っています。まず考えたのはhandshakeをどう一言で説明するかということ。はじめは「複数のSNSを同時にシェアできます」といった紹介をしていたのですが、なかなかうまく伝えることができませんでした。試行錯誤を重ねるなかで生まれたのが、現在も使っている「デジタル名刺アプリ」というフレーズです。これによって一気に営業活動がスムーズになりました。

——サービスリリース後の反響はいかがですか?

佐藤:口コミで着実にユーザーを増やしています。最近推奨しているのが、自分のhandshakeページをQRコード化し、ビデオ会議のバーチャル背景に貼りつけるという使い方。「URLを送る手間が省ける」「大人数のバーチャル会議でも気になった人のSNSアカウントを気軽に知れる」とユーザーからも好評です。

人々の行動を変えるようなサービスを
生み出したい

——今後の展望を教えてください。

友利:まずはhandshakeで100万人のユーザーを獲得したいですね。事業として成功するかは、そこがひとつの分水嶺だと考えています。決して無理な数字ではありません。1年以内になんとか達成したいですね。それを弾みとしてRutenもさらにスケールアップしたい。会社としての目標はやはり、東京一極化を打破すること。実際に、沖縄の実家で暮らしながらリモートでhandshakeを開発してみて、そのビジョンが夢物語ではないことを実感しました。地方と東京の人材をマッチングするサービスなど、さまざまなアイデアを温めているところです。

佐藤:Rutenの展望については友利と同意見なので、僕自身の目標を話したいと思います。僕は、世界をより良い方向へと変えていきたいんです。そう本気で思えるようになったのは、起業を経験したからです。handshakeは名刺という文化を少しずつですが着実に変えつつあります。テクノロジーには人々の行為を変容させる力がある。肌感覚でそう学んだことで、「自分たちにも社会を変えることができる」という確かな手応えを得られました。これこそがhandshakeを通じて得た何よりの収穫です。

掲載:2020年10月

MY MEMORY

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1.ふたりは入学式の日に、サークルの新歓で出会って以来の友人2.2019年に創業されたRuten株式会社。社名は「万物流転」に由来する。3.名刺交換に代わるSNS時代の自己紹介ツールとして注目を集めるhandshake。4.handshakeのユーザーページは、QRコード化することでビデオ会議のバーチャル背景にも設定できる。

名刺交換は、もういらない?

SNSやリンクをまとめてシェアする自分だけのページを、簡単に作成できるhandshake。これひとつで自分の興味関心を一度に人に伝えることができる。ユーザー登録は下記のURLから。
https://www.handshakee.com/

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