挑戦する横国の学生たち
大学届出団体のキャップ野球サークル「SOUNDS ON BEACH」。2023年3月には「東西統一蓋祭」で優勝、全国32チームの頂点に輝いた。キャップ野球の特徴は、誰もが始められる気軽さと変化球の多彩さ、スピード感など。代表の戸澤さんと広報の矢口さんに魅力を伺いました。
教育学部 自然・生活系教育コース 理科専門領域/技術専門領域
戸澤:「キャップ野球」は、2017年に京都大学の学生が考案したペットボトルのキャップをボールに用いる野球型競技で、キャップを指で弾いて遊ぶ「キャップ投げ」から派生しました。ルールは野球と似ていて、バッテリーを含む4人で守備を行い、指名打者を加えた計5〜6人で1チームを構成します。打球がヒットゾーンを超えると単打、フェンスに当たると2塁打などと規定されています。マウンドからホームまでの距離は野球の約半分で、広いグラウンドも用具の準備も不要なので、間口が広い競技です。
矢口:「SOUNDS ON BEACH」は、キャップ野球黎明期の2019 年に発足以降、部員拡大とともに着実に力を伸ばしているチームです。2023年3月には一般社団法人「日本キャップ野球協会」主催の「東西統一蓋祭」で念願の優勝、全国32チームの頂点に立ちました。メンバー全員がオールラウンダーになれるよう努力を積み重ね、シーソーゲームとなった決勝戦で見せた集中力は素晴らしかったです。勝負の分かれ目は「集中力」ですから。
戸澤:本当の意味で『経験者』がゼロなので、引け目を感じず、誰でも始めやすいのが魅力だと思います。「SOUNDS ON BEACH」の部員も半数近くが野球の未経験者です。そして、打者の手元で浮き上がったり、大きく曲がったりする変化球と、球速が体感200キロ超となるスピード感が面白いんです。
矢口:キャップ野球を始めた頃は、まずキャップを目で捉えることができませんでした。マウンドからホームまでの距離が短く、体感スピードがとてつもなく速いんですよ。打者にも野手にも高い動体視力と反射神経、そして集中力が要求されるところが、キャップ野球の面白さだと感じます。
戸澤:キャップ野球は、SNSにアップされた試合の様子が話題になり、特に大学生の間で人気が出て、現在は約30の大学で活動が行われています。自分たちもSNSをきっかけに始めましたが、同じように動画を見て『自分もあんなに曲がる球を投げたい』と興味を持った学生が、友達を誘い合い気軽に始めた結果、ここまで拡大したんだと思います。
矢口:「SOUNDS ON BEACH」もYouTubeを新入生の勧誘目的で始めましたが、今では部の軌跡を残すことと、キャップ野球自体の普及にも焦点を当てて運用しています。現在はフォロワーの数も1万人を超え、より広い世代に興味を持ってもらえるように動画を更新し続けています。
矢口:競技層は大学生なので、必然的に大会運営などの裏方も大学生が担っています。他大学や外部との交流も不可欠なので、コミュニケーションなどでの自身の成長を感じています。飽きっぽい性格でしたが、継続や集中を学びました。キャップ野球は、人の輪や新しいことに踏み出せなかった自分を変えてくれました。
戸澤:日々、動画などで研究を重ね、レベルアップを目指しています。自分はピッチャーですが、指で弾くだけの投げ方もあれば、ボーリングのような投げ方もある。ほんの少し角度を変えるだけで曲がり方は大きく変化するし、ストレートの投げ方だけでも十人十色です。気軽に始められることに加えて、開拓の余地が存分にあるところがキャップ野球の奥深さですね。チームとして先輩が築いた活動を引き継ぎ強豪校として活躍を続けながら、キャップ野球の人気拡大に貢献したいと考えています。
掲載:2024年3月1.キャップ、バット、ベース。この3つさえあれば始められるのがキャップ野球の魅力。2.練習風景を撮影。動画の制作は広報活動の要。3.ピッチングの練習。フォームは十人十色。4.新入生歓迎の立て看板。チームを育て、競技人口を増やしていくための大事な入り口。
春の全国大会優勝、キャップ野球サークル
大学届出団体。2019年に発足し、現在は部員90人まで拡大。関東強豪校の一角を担う実力校で、週3〜4回学内体育館などで練習している。初心者大歓迎。すべての大会で優勝を目指す。