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挑戦する横国の学生たち

VENTURE SPIRIT

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学生生活と将来の夢の両立を。
公認会計士としての第一歩を踏み出せました。

塩沼さんの長年の目標は、大学生のうちに公認会計士の資格試験に合格すること。三大難関国家試験のひとつとされる高い壁を越えるために、どのような努力を重ねてきたのか。夢に向かってたゆむことなく歩んできた学生生活を振り返ります。

塩沼 怜也

経済学部経済学科

塩沼 怜也

最難関の資格を。
目標は高い方がいい。

——公認会計士をめざすようになったのはいつ頃ですか?

中学生の頃からです。「数学が得意だから、数字を扱う仕事をしたい」という軽い気持ちで意識するようになったのですが、調べてみると社会的にとても意義ある仕事だということがわかってきました。企業が融資や出資を受ける際に判断の基準となる、「財務諸表」の信頼性を担保するのが公認会計士。いわば経済の発展を縁の下から支える仕事です。公認会計士試験の合格率は11%と難易度が高く、三大難関国家試験とされていることにも惹かれました。せっかく何かをめざすのであれば、目標は高い方がいいと考えていたからです。

——資格試験に向けて本格的に勉強を始めたのはいつ頃ですか?

大学へ進学してすぐです。在学中に資格を取得して人よりも一歩早くキャリアをスタートさせたいと考えていたので、まずは1年次の4月に学内で開催されていた簿記3級の体験講座に参加しました。簿記3級というのは、会計士の勉強をする上で最も基礎となる知識が試されます。実際に受講してみると、財務諸表というものの成り立ちが想像以上に興味深かった。6月に簿記3級試験に合格するとますます公認会計士になりたいという思いが強くなり、秋頃から公認会計士試験のための予備校に通い始めました。

大学での学びが
受験のアドバンテージに

——当時はどのような学生生活を送っていたのでしょうか?

大学の講義を受けながら、週に2〜3日、19時から22時まで予備校に通っていました。大学の講義にしても予備校の授業にしても、予習復習が欠かせないので、はじめはついて行くので精一杯でした。けれど入学するときに「勉強一色にはしない。学生生活も思いっきり楽しむ」と決めていたので、所属していたスポーツサークルの活動には必ず参加していました。逆にそれが息抜きとなって、生活にメリハリが生まれた気がします。サークル内に同じく公認会計士をめざす同級生がいたことも幸いでした。情報交換をしたり、悩みを相談したり、とても心強かったですね。

——経済学部の授業も公認会計士試験のプラスになったのではないでしょうか?

そうですね。マクロ経済学やミクロ経済学の講義は、そのまま公認会計士の試験対策になりました。ほかの受験生に比べて、私のアドバンテージになった部分です。逆に財務会計論や管理会計論といった経営学部の講義を受講する際には、公認会計士試験に向けて学んでいたことが役立ち、先生の話をスムーズに理解することができました。資格取得に向けた実践的な勉強と、大学での体系だった学問的な学びが相乗効果となって、効率的に学習を進められたと感じています。

将来は
地元の経済発展に貢献したい

——勉強を続けるなかで、最も苦しかったのはいつ頃ですか?

3年次の1月頃です。はじめての受験で一次試験不合格となってしまったことが本当にこたえました。一時期は公認会計士という夢を諦めようかと思ったほどです。それでも両親の励ましや、何よりこれまでの月日を無駄にしたくないという思いから再奮起。必死に努力を重ね、同年5月の受験で一次試験に合格。8月の二次試験にも合格し、ついに長年の目標を叶えるための切符を手にできました。

——今後の目標を教えてください。

現在は、内定をいただいた監査法人で学生非常勤として働いているので、まずはそこでの仕事をしっかりとこなしたいです。取り組んでいるのは、入社一年目の公認会計士試験合格者が行うのとほとんど同じ業務。例えば、財務諸表に書かれている数字が正しいのか、監査先の企業へ赴き、金庫の現金を検めたりします。知識としては理解していたこととはいえ、実際に経験するのは初めての仕事ばかりで、毎日がほんとうに刺激的です。

一方で、自分の至らない点も見えてきました。まずは企業の要職の方々と対等に渡り合うために社会人としてのコミュニケーション力を身につけなくてはなりません。事務処理能力も先輩方に比べるとまだまだです。まずはこの会社で公認会計士としての基礎をしっかりと固めたいですね。その上で、将来的には地元である東北で、地方の経済発展を影ながら支えるような、そんな会計士になりたいと考えています。

掲載:2020年10月

MY MEMORY

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1.試験対策で用いたテキストや問題集。直前には一日12時間以上机に向かった。2.試験勉強の合間に友人と訪れたスキー旅行。3.厳しい受験をともに乗り切った予備校の仲間たちとの祝賀パーティー。4.「実務補習所」の入所式。ここで約3年間、公認会計士の基礎を磨く。

ひたむきな努力で最難関の試験を突破

三大難関国家試験のひとつとされる公認会計士試験。合格までには約4,000時間もの勉強時間が必要だとされている。そのため勉強時間を確保しやすい学生うちに受験する方が有利だとされている

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