一覧へ

挑戦する横国の学生たち

VENTURE SPIRIT

006

和田町商店街を盛り上げたい。
和田丸と一緒ならきっと実現できます。

和田町商店街の人気者といえば、ゆるキャラの和田丸です。その育ての親として常に活動をサポートしてきたのが、「和田べんプロジェクト」代表の鈴木さん。和田丸とともに歩んできた、6年間の日々を振り返ります。

鈴木 佑香

環境情報研究院

鈴木 佑香

和田丸がいたから、
街の人たちと仲良くなれた

——和田べんプロジェクトについて教えてください。

和田べんプロジェクトにはふたつの活動の軸があります。まずは和田町商店街でつくられたお弁当を、大学構内で販売すること。「和田町と大学を食でつなぐ」というコンセプトのもと、2005年にプロジェクトが立ち上げられて以来、ずっと継続してきた活動です。もうひとつが、2014年に街の方々からアイデアをいただきながら生まれたゆるキャラ「和田丸」の運用です。私自身は主にこちらに携わってきました。

——具体的には、どのような活動をしてきたのでしょう?

最初のミッションは、和田丸の認知度向上でした。和田丸のお披露目があったのは、私がプロジェクトに参加する一ヶ月前。なので、活動をはじめた当初は、街の人たちにも和田丸はまったく知られていませんでした。とにかくイベントに参加して、和田丸の横で「和田町のゆるキャラ、和田丸です」と声を上げていた記憶があります。

——本当にゼロからのスタートだったのですね。苦労はありましたか?

苦労はほとんど感じませんでした。和田丸とイベントに参加するのが、とにかく楽しかったんです。自分ひとりで商店街を歩いているときは街の人と話す機会はなかなかありませんが、和田丸が横にいるとたくさんの人が声をかけてくれます。「何これ?」「がんばってね」「和田町をもっと盛り上げてほしいな」。そんなやりとりができることが、嬉しかったのだと思います。

日産スタジアムに
招かれるまでに成長しました

——印象に残っているイベントはありますか?

一番印象的なのは、日産スタジアムでの横浜F・マリノスさんの試合の前座として、横浜のゆるキャラが集合して運動会を開くというイベントに参加したときのことです。私は事前に原稿を作成して、アナウンサーの方に読んでいただいただけなのですが、和田丸が何万人という観客の前に立つと思うと、我がことのように緊張しました。当日は有名なゆるキャラと交流したりもしていて、「和田丸もここまできたか」と、ちょっと感無量でした。

——和田町の方たちの反応は、この6年間でどう変化しましたか?

認知度はずいぶん向上したと思います。イベントの際にも「子どもたちが喜ぶから、和田丸も参加してよ」と声をかけていただけることが増えました。商店街のみなさんが「色んなことをどんどんやっていいよ」と背中を押してくれることもありがたかった。そんな声に甘えて企画したのが「和田丸ポスト」です。今も商店街に和田丸の形をしたポストを置かせてもらっていて、子どもたちから「夏祭りで金魚すくいをしてほしい」といったかわいいお便りが届きます。和田丸になりきってお返事を書くことも小さな喜びです。

和田町のみなさんに、
恩返しをしたい

——和田丸とともに活動するなかで、学んだことはありますか?

地域活動には絶対的な答えがないことを学びました。どんなに自分がいいアイデアだと思っても、必ずしもみんなが賛成してくれるわけではありません。たとえ机上の計算で自分の考えの正しさを証明できたとしても、反対する人は反対する人で、街の歴史やさまざまな人間関係を背負っています。だからこそ、相手の意見に耳を傾け、理解しようという姿勢が欠かせません。実際の経験を通じて、肌感覚でそれを学べたことは、私にとって大きな財産です。

——今後の活動の目標はありますか?

実は先日、「和田丸に会いたくて、和田町にきました!」という人に出会ったんです。本当にうれしかった。そうしたファンを、もっと増やしたいですね。そのためには、まずは情報発信。SNSをもっと積極的に活用していきたいです。いろいろなお店とのコラボや、和田丸による飲食店の食レポなど、やりたい企画はたくさんあります。和田丸の存在を、街の人たちの直接的な利益へとつなげていきたい。それが和田丸を育ててくれた和田町への、何よりの恩返しだと考えています。

掲載:2020年10月

MY MEMORY

1
2
3
4

1.「ちょっとシュールな見た目が魅力の秘密」と鈴木さん。2.日産スタジアムで。数万人のお客さんの前で存在感をアピール。3.子どもたちにも大人気。子ども向けのイベントには引張りだこ。4.ラインスタンプも販売中。イラストも鈴木さんたちが自ら制作。

和田べんプロジェクト

和田町商店街と大学が中心となって行っていた地域活性化活動から派生したプロジェクト。横浜国大と和田町をつなぐコーディネーターとして、地域活性化を目的に幅広い活動を実践

TOPへ