挑戦する横国の学生たち
留学生をサポートする学生団体「105(いちまるご)」の室長、森原さんは「勉強も遊びも毎日全力」がモットー。あまり考え込まずに、即決断・即行動で物事に取り組むという彼は現在、留学生と一般学生との交流の場づくりに力を入れている。その活動の魅力を聞いてみた。
経済学部経済学科
留学生の生活を全般的にサポートしています。レポートの手伝いやサークルの紹介、日本人学生と交流できるイベントの開催など、学生生活の手助けが中心です。とはいえ、日本に来たばかりの留学生には、日常生活でもわからないことがたくさんあります。たとえば先日は、銀行口座が作れずに困っている留学生の代わりに、口座開設の問い合わせをしました。活動内容をはじめから限定せずに、些細な困りごとでもフォローする。それが「105」のスタンスです。
意外に思われるかもしれませんが、英語が得意な学生ばかりではありません。共通しているのは熱意と行動力ですね。「留学生と友達になりたい!コミュニケーションしたい!」という思いの強い人が集まっています。メンバーを見ていると、カタコトの英語でも意欲さえあれば意思疎通はできると実感します。
部活やサークルと違って、「105」には決まった活動日がありません。サークルやアルバイトで忙しいメンバーもいますが、それぞれが自分のペースで「105」の活動時間を大切にしてくれています。参加者200人規模の大きなイベントを準備する時などは、主体的に動いてくれるメンバーに助けられていますね。
現在活動しているのは、大体40人くらいでしょうか。グローバルな意識を持った学生が年々増えてきていることもあり、メンバー希望者が増えているので、昨年から組織としての体制づくりを模索しています。告知を担当する広報部、資金管理をする会計部など、役割に応じた部局をいくつか作り、全体で顔を合わせずとも各自で動けるような形を整えました。最近も新たに4つの部局が新設されるなど、まだ試行錯誤の段階です。私は室長(代表)の立場なので、組織がスムーズに活動できるよう、全体をマネジメントする役割を担っています。
11月に開催した合宿イベントの「アステージキャンプ」では、宿泊先の手配や当日の段取りなど重要事項がいくつかあり、何かあったら自分の責任というのはプレッシャーでした。でもイベント後に参加者から「ありがとう」と言葉をかけてもらえたことで、それまでの苦労が吹き飛びました。
チームを動かす力、でしょうか。活動を始めた当初は、率先して動こうとするあまり、自分の意見にこだわりすぎてしまうこともありました。しかし何度か失敗を経験するなかで、それでは組織がうまく回らないことを痛感します。ただメンバーを引っ張ろうとするのではなく、相互に意見を交わしながら物事を進めることが大事だと、この時に学びました。思い出したのは、当時受講していた「経営行動科学」や「組織論」での学びです。それまで座学にあまり興味が持てませんでしたが、この授業でのケーススタディは自分の状況とも重なっていて、多くのヒントが得られました。
横国の留学生に限らず、日本にくる外国人の方々みんなに共通して言えるのは、「日本に興味があるからここまでやって来ている」ということです。日本人と話したいという気持ちをみんな持っていますし、話しかけられて嫌な顔をする人はいません。国際交流をしてみたい人、語学力を伸ばしたい人はぜひ留学生に話しかけてみてください。フレンドリーな彼ら、彼女らに関わることで、そこからきっと何かが生まれるはずです。
掲載:2020年3月1.「105」の活動拠点である国際教育センターで、留学生と談笑する森原さん。2.異文化交流のためのイベントを企画するミーティング。3.毎年2回、春と秋に開催している、1泊2日の「アステージキャンプ」4.高校時代を過ごしたアメリカの現地校。写真は卒業式での一枚。
「105」の名前の由来。
2001年から活動を開始した「105」。2015年まで、国際教育センターの105号室を拠点に活動していたため、それがそのまま団体名となった。現在は2階ロビーを拠点としている。