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挑戦する横国の学生たち

VENTURE SPIRIT

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大切なのは、
コミュニケーションしようという意思

留学生のサポート活動に取り組むISL(International Students Lounge)の代表を務める長田さん。留学生とのコミュニケーションを通じて英語力を磨くなかで、新たな進路も見えてきたといいます。彼が思い描く大きな夢に迫りました。

長田 朋樹

都市科学部都市基盤学科

長田 朋樹

大切なのは、
コミュニケーションしようという意思

——ISLについて教えてください

横国にいくつかある国際交流団体のひとつです。最大の特徴は、窓口となるラウンジを理系の研究棟近くに設けていること。そのため、訪れるのはほとんどが理系の留学生です。彼らは文系の留学生とは異なり英語で授業を受けているため、日本語が流暢でない人も大勢います。そんな彼らサポートすることが私たちのメインの活動です。昼休みにはラウンジを解放し、一緒に食事を楽しみながら、さまざまな悩みに英語で応えています。ほかにも一年に一度、国際交流のためのイベントも催しています。昨年は、英語で落語を聞く会を開催。はじめての落語に、留学生のみなさんも大盛り上がりでした。

——長田さん自身はなぜ活動に参加するようになったのでしょう?

高校時代にカナダでのホームステイを経験し、大学ではさらに英語力を磨きたいと考えていたからです。実際に、留学生との交流を通じて英語についての新たな知見が得られました。たとえば、発音の大切さ。「th」と「s」の違いといった、日本人同士では気づかないような細かな発音の違いにも、海外の方は敏感に反応します。自らの発音を徹底的に見直すきっかけになりました。それ以上に大きな変化は、英語と向き合う姿勢です。この活動をはじめるまでは、どこかで「どうせ自分はずっと日本で過ごすのだから」という甘えがありました。けれど理系の留学生の多くは、パキスタンやインドなど非英語圏出身にも関わらず、慣れない異国の地で英語を使い、一生懸命に学んでいます。そんな彼らに感化され、自分自身も本気で英語を学びたいと、留学を検討するようになりました。

留学生に刺激され、
3度の留学を経験

——実際に留学は実現したのでしょうか?

所属している都市基盤学科の短期海外研修プログラムを利用し、2年次にベトナムとタイへ一週間ずつの短期留学を果たしました。ベトナムでは交通インフラに関する国際会議に出席。専門とする土木技術の分野、なかでも交通インフラのメンテナンスについて、現地の参加者とディスカッションを行いました。タイでは現地の学生の案内のもと、街中の交通インフラを見学。居住空間と交通空間を区切るために電車の高架化・地下化を徹底するなど、明確なビジョンに基づく都市づくりが印象的で、日本にとっても学ぶべき部分が多々あると感じました。

——英語についての学びはいかがでしたか?

正直にいうと、二週間という期間は、英語のスキルを磨くには不十分でした。そこで帰国後、約30万円の留学費用をアルバイトで必死に用意し、フィリピンのサントマスト大学へ一ヶ月間留学しました。

ここでは、文字通り英語漬けの毎日を送ることができました。平日は朝8時から夕方5時まで休むことなく授業を受け、休日も街へ出て積極的に英語でのコミュニケーションに挑戦します。本当に充実した時間を過ごすことができ、おかげで日常会話レベルの英語に尻込みすることはなくなりました。帰国後、いつも視聴していた英語のネット番組が鮮明に聞き取れるようになっていたときには、とても感動しましたね。

パイロットという夢に
向かって

——これまで培ってきた英語力をどのように活用したいですか?

まずはISLの代表として、これまで以上に留学生のサポートに力を注ぎたいです。新型コロナウイルスの影響で外出がしづらくなり、不安を抱え、精神的に孤立している留学生は少なくありません。彼らが安心して過ごせるように、英語でのオンラインランチ会などを企画していきたいです。また日本語の苦手な留学生でも新型コロナウイルスの最新情報を気軽に入手できるように、SNSなどを通じての情報発信も積極的に行っていくつもりです。

——長田さん個人としては、何か目標はありますか?

実は航空機のパイロットになるために、航空大学校への進学をめざしています。英語を活かした仕事を、と考えた末の結論がパイロットでした。世界中の航空管制官とのやりとりは、すべて英語で行われますからね。大学1年次にたまたま「気象学入門」という講義を受けて以来、趣味で学び続けてきた気象学の知識を活かせると知ったことも決め手になりました。天気図を解析し、フライト計画を精査することはパイロットの重要な役割のひとつです。航空大学校の試験は、倍率10倍の狭き門ですが、英語と気象学というふたつの強みを武器に、夢への切符を掴みとってみせます。

掲載:2020年10月

MY MEMORY

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1.ISLに訪れた留学生とランチを。それぞれの国の特色あるおかずを、交換することも。2.英語落語の喜餅(きもち)さんを招いての落語会。3.フィリピン留学の様子。現地の学生とともに英語力を磨く4.航空大学合格に向けて、勉強にも熱が入る。

語学が堪能ではない留学生の生活をサポートしたい。

理系の留学生も気軽に集まれる居場所をキャンパス内につくってあげたい。そう考えた小松怜史准教授(都市基盤学科)が中心となって設立された国際交流団体ISL。理系研究棟の近くにあるローソンの一角をラウンジとして開放している。

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